前営業日トピックス
東京市場は、年始の連休で休場となり、新規材料に乏しい中、為替市場は小動きの展開となった。ただ、アジア市場の主要株価が比較的堅調な動きとなったことを材料に、円売りとなる場面があったが、上値はやや限定的となった。
海外市場では、欧米の国債利回りが低下したことから、欧米と日本の金利差縮小が意識され、円買いとなった。ただ、米国市場では、米経済指標が軒並み良好な結果となったことから、ドルは主要通貨に対して上昇した。その後は反落したものの、FOMC議事録を受けて再びドル買いとなる場面もあった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場が年始による休場で薄商いとなる中、序盤はや小動きとなった。その中で、アジア株が堅調な地合いを維持したことで、リスク選好的な円売りも見られたが、値動きは限定的だった。
(2)欧米の国債利回りの低下が続いたこと受けて、円が買われる動きとなり、ドル円・クロス円は軟調となった。また、ユーロもドルや円などの主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドイツの失業率は、1990年の東西ドイツ統一後で最も低い水準となり、失業者数が2011年9月以来の大幅な減少幅となったものの、相場への影響は限定的だった。
(3)米ISM製造業景況指数、建設支出が市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドル買いが強まった。また、ダウ平均、ナスダックなど主要株価が最高値を更新したことも加わり、円が売られる動きとなり、クロス円も堅調な動きとなった。ただ、米国債利回りの低下もあり、反落となった。
(4)FOMCの議事録で大半のメンバーが緩やかなペースでの利上げ継続を支持していることが明らかとなり、追加利上げへの楽観的な見方が広がったことから、ドルは再び上昇となった。なお。3月のFOMCでの利上げ予想確率は、議事録公開前の72%から76%に上昇した。
本日のトピックス
東京市場では、年末年始の休暇明けとなるものの、新規の材料に乏しく、やや限定的な動きが考えられる。しかし、海外市場では欧米の主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。特に、週末には今年最初の米雇用統計の発表が予定されており、本日発表の米チャレンジャー人員削減数、ADP雇用統計の結果には注目が集まっている。
ドルは、昨年末から主要通貨に対して下落が続いている。米税制改革法案成立による材料出尽くし感もあるだろうが、マーケットの関心はトランプ米大統領のインフラ投資計画(1月中に発表予定)や、米国の利上げのペースであることから、現状ではポジションを一方向に傾けづらい面もある。
1/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:15 | 米国 |
12月ADP雇用統計 |
+19.0万人 | +19.0万人 |
前回は、市場予想と一致したが、3月以来の高い伸びからは低下した。しかし、ハリケーン上陸を受けて、大きな落ち込みもあったが、健全さが維持された。今回は、前回と変わらない伸びが予想されており、引き続き健全な労働市場が維持されると見られる。特に、前回2002年の統計開始以来の大幅な伸びとなった製造業の結果に注目したい。 |
気まぐれ投資コラム
2018年のドル/円の値幅は大きくなるのか?
2017年のドル/円は、1/3に付けた118.61円が高値となっており、その後一時107円台まで下げる場面があったものの、概ね108円台から114円台でのレンジ内の動きが続きました。2017年の上下レンジは、11.29円幅となっており、2016年までの12年間の平均である16.46円幅を下回っています。2016年の変動幅が22.67円幅であることから、2017年はほぼ半分程度の動きに留まったことになります。
2017年を含めた過去13年間の平均値で計算すると、2018年は112.68でスタートしており、13年間の平均の16.06円幅であることから、112.68が中心値だと仮定すれば、上値は120.71、下値は104.60のレンジとなります。過去のパターンで見ると、年間の変動幅が小さかった年の翌年は、比較的大きな動きとなるケースも多いことから、2018年の動きには期待がかかります。
※出所:FX総合分析チャート 日足
※出所:価格データを基にSBILMが作成