前営業日トピックス
前週末の米雇用統計の発表を受け、米FRBが利上げを急がないとの見方が引き続き材料視され、円買い・ドル売りが先行した。また、日経平均株価が下落したことや、日本の輸入関連企業による円売りの動きもみられた。ただ、その後は、株価が下げ幅を縮小したことなどもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
海外市場では、欧州主要株価が底固い展開となったこともあり、欧州勢は序盤からドル買い・円売りを先行させた。米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。ただ、米国債利回りが低下したことや、上昇していた株価が上げ幅を大きく縮小したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末に発表された4月の米雇用統計で、失業率が17年半ぶりの低水準まで改善したものの、非農業部門雇用者数が市場予想を下回る結果となったことが改めて材料視され、ドルはやや軟調な動きとなった。また、連休明けの日経平均株価が序盤から下落したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)日経平均が下げ幅を縮小したことや、米長期債利回りの上昇も影響し、ドル/円・クロス円は堅調な動きとなった。また、欧州主要株価が比較的堅調な動きとなったことも影響した。ただ、ユーロはドイツの主要な経済指標が冴えない結果となったことが影響し、ドルや円に対して軟調な動きとなった。
(3)米長期金利が低下したことに加え、堅調な動きが続いていた米主要株価が上げ幅の大半を縮小したことが影響し、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。一方、武田薬品によるアイルランド製薬大手シャイアー買収に絡む報道を受けてポンドは対ドルで堅調な動きとなった。また、ベルギー中銀総裁による7月ECB理事会での債券買入れ解除の可能性に言及したことを受けて、ユーロも対ドルなどで上昇となった。
本日のトピックス
ユーロが上値の重い動きが続いているが、ユーロ圏や域内経済指標の悪化が要因の一つとされている。本日もドイツの主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。
また、米国市場でも雇用関連の経済指標が予定されているものの、特に大きな反応にはならないだろう。ドル/円は、110円台乗せとなった後、達成感などもあり、上値の重い動きが続いたが、ここから再び堅調な動きとなるのか注目される。また、スイスで開かれるパネル討論会が実施されるが、この会合でパウエルFRB議長が発言する予定となっていることから、発言の内容が注目される。
5/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
3月JOLT労働調査[求人件数]
JOLT 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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607.5万件 | 605.2万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、1月の過去最高からは低下となった。ただ、依然として求人件数は豊富であることから、多少減少が続いた場合でも大きな懸念にはならないだろ。一方、過去1年間の新規雇用者数から、解雇を含む離職者数を差し引いた雇用純増が続くのかにも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の雲を上抜け後に110円台乗せとなったものの、その後はやや上値の重い動きが続いている。ここから一旦調整となるのか、再び堅調な動きとなるのか注目したい。
現状では、104.63からのトレンドライン近辺で底固い動きが続いているが、ここを下抜ける動きとなる場合には、一段の下げとなる可能性も考えられる。また、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小が続いた後、両線がクロスしており、軟調を示唆するチャート形状となっている。
調整が進む場合の下値のポイントとして、104.63から110.03までの上昇に対する38.2%押しのポイントや、一目均衡表の雲上限ラインに注目したい。雲上限ラインは、本日が107.925、9日が107.899、10日が107.552(〜21日まで横ばい)となる。
上値のポイント
(1)109.39(前日高値)(2)109.60(レジスタンス)(3)110.03(直近高値)
下値のポイント
(1)108.65(直近安値)(2)108.54(サポート)(3)107.96(38.2%押しのポイント)