前営業日トピックス
海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から小動きの展開となった。米長期金利の上昇によって日米の金利差拡大が意識されているものの、米国の消費者物価指数の結果を見極めたいとの思惑も交錯し、序盤は狭いレンジ内の動きとなった。その後は、110円台に迫る動きが見られたものの、米長期金利が低下したことから、円買い戻しが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、米長期金利が再び上昇したことから、欧州勢がドル買い・円売りを先行させたこともあり、ドル/円は1週間ぶりに110円台乗せとなる場面もあった。その後は、再び米国債利回りが低下したことや、米経済指標が予想を下回る結果となったこともあり、ドル/円は軟調な動きとなった。ただ、米主要株価が堅調な動きとなったことや、原油価格などの上昇もあり、資源国通貨を中心に底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米長期金利の上昇によって日米の金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが先行した。ただ、110円台の大台を前に、やや上値の重い動きとなり、また米国の景気動向を注視したいとの見方も影響した。その後、米国債利回り低下したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)安倍首相や黒田日銀総裁の発言があったものの、市場では目立った反応が見られず、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きとなった。ただ、日経平均株価が上昇したことや、欧州主要株価が比較的堅調な動きとなったこと、また米長期金利が上昇に転じたことを受けて、ドル買い・円売りとなった。ドル/円は、5/2以来の110円台乗せとなった。
(3)米長期金利が低下したことや、米消費者物価指数が冴えない結果となり、FRBの利上げペースの加速観測が後退したことから、ドル売り・円買いが優勢となった。また、英中銀が政策金利を据え置き、ハト派寄りの見解を示したことが影響し、ポンドは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(4)米主要株価が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きが見られたものの、ドル/円は米国債利回りの低下もあり、再び軟調な動きとなった。
本日のトピックス
比較的堅調な動きが続いていたドルやポンドなどは、経済指標の結果などが影響し、上値の重い動きとなっている。一方、資源価格の上昇で豪ドルやカナダドルなど、資源国・新興国通貨は堅調な動きが続いているが、週末であることから一旦調整となるのか、引き続き堅調な動きとなるのか注目される。
米国市場では、輸入物価指数、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、前日の消費者物価指数の結果を受けて動きが出たことから、本日の結果にも注目したい。また、米長期金利や株価の動きにも比較的敏感に反応していることから、こちらにも注目したい。
5/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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98.3 | 98.8 |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、3月の2004年以来の高水準からは低下となった。今回は、前回から小幅低下が予想されているが、依然として高水準であることから、消費者の米景気に対する見方は依然として明るいと見ており、低下がドル相場に大きく影響する可能性は少ないだろう。 |