前営業日トピックス
東京市場では、海外市場後半の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その後、株価が堅調な動きとなる中で、日銀の国債買い入れオペ減額への反応が限られたことから、改めてドル円の堅調地合いを確認する結果となった。また、米長期金利が時間外取引で上昇したこともドル買いを後押しした。ただ、米雇用統計の発表を控え、やや様子見ムードから、その後は小動きの展開が続いた。
米国市場では、米雇用統計で、失業率、雇用者数、賃金いずれも市場予想を上回る良好な結果となったことを受けて、ドルは大半の主要通貨に対して上昇した。その後、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と6/12にシンガポールで会談すると表明、リスク回避姿勢も和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米主要株価が堅調な動きとなったことも加わり、ドル円・クロス円は終盤まで底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米政権による鉄鋼・アルミの輸入制限の発動で貿易摩擦への懸念が強まった一方、イタリアで「五つ星運動」と「同盟」が連立政権樹立で合意したとの報道を受けて、政局混迷に対する懸念が後退したことから、様子見ムードから序盤は小動きの展開が続いた。
(2)下落して始まった日経平均株価がプラス圏まで上昇し、上げ幅を拡大したことが支援材料となり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに日銀の5年超10年以下の国債買い入れオペの減額にも反応は限られ、減額を受けて円買いにポジションに傾けた向きの買い戻しが加速し、一転してドル買い・円売りが優勢となった。
(3)雇用統計発表前に、トランプ大統領がツイッターで『雇用統計が楽しみだ』と投稿したことを受けて、ドルは上昇した。米雇用統計では、失業率、雇用者数、賃金いずれも市場予想より良好な結果となったことを受けて、ドルは大半の主要通貨に対して上昇した。上昇一服後は、やや上値の重い動きが見られたものの、トランプ米大統領は、金委員長の特使として訪米中の金英哲朝鮮労働党副委員長とホワイトハウスで会談し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と6/12にシンガポールで会談すると表明したことを受けて、投資家のリスク回避姿勢も和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
米雇用統計が比較的良好な結果となったことや、トランプ大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と6/12にシンガポールで会談すると表明したことが材料視され、投資家のリスク回避姿勢が和らいでおり、ドル円・クロス円は底固い動きが続く可能性が考えられる。
ただ、欧州の政治的不安に対する懸念が高まるようなら、影響を受ける可能性も考えられる。米国市場では、耐久財受注の発表が予定されているものの、確報値であり速報値程重要視されていないことから、マーケットの反応は限定的だろう。
6/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月製造業受注指数(前月比)
製造業新規受注は、米国の製造業の新規受注など受注関連を集計した経済指標であり、設備投資などの先行指標とされている。特に振幅の大きい航空機を除いた非国防資本財受注が注目されることもある。
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-0.5% | 1.6% |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、2月からはやや低下した。今回は、マイナスへの大幅低下が予想されている。ただ、昨年から3ヵ月ごとに大きな低下となり、マイナスとなる傾向が続いていることから、大きな懸念にはなり難いが、予想より大きな低下となる場合には注意したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は底固い動きとなり、一旦下抜けを回避している。ここから重要なポイントとなる一目均衡表の基準線を上抜けて一段の上昇となるのか、この近辺で上値の重い動きとなるのか注目したい。現在、基準線は109.752に位置しており、当面は横ばい(111.39-108.11のレンジ内なら6/25まで横ばい)が続く。
オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小に転じて、先行するラインも上向きに転じており、両線がクロスするようなら、堅調な動きを示唆するチャート形状となることから注目したい。
上値のポイント
(1)109.75(基準線)(2)110.09(レジスタンス)(3)110.92(レジスタンス)
下値のポイント
(1)109.00(サポート)(2)108.72(前週末安値)(3)108.11(重要サポート)