前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤から軟調となった。日米首脳会談やG7首脳会議、来週の米朝首脳会談など、重要イベントを控えて積極的な売買が手控えられていたこともあり、やや限定的な動きとなった。ただ、午前中から米長期金利の低下が続いたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、ユーロが対ドルで上昇、対円でも堅調な動きとなり、他のクロス円にも波及した。ただ、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、貿易摩擦の深刻化に対する懸念や、米朝首脳会談が不調に終わることへの警戒感から、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。下げ一服後は、イベントを控えた様子見ムードから小動きの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れが一服し、序盤からやや軟調な動きとなった。そして、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、一時堅調な動きとなる場面もあった。ただ、米長期金利が時間外取引で低下したことを受けて、上値の重い動きが続いた。
(2)仲値公示にかけて、実需のドル買い・円売りフローなどが入ったものの、反応は限定的となり、ポジション調整などに押され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、欧州勢のユーロ買いに加え、米長期金利が上昇に転じたこともあり、ユーロを中心にクロス円は堅調な動きとなった。特に、対ドルでユーロは3週間ぶりの高値を付けた。ただ、ドル/円はやや上値の重い動きとなった。
(3)日米首脳会談前の会見で、トランプ大統領が「北朝鮮問題は北朝鮮が核を放棄しなければ合意はない」と述べたことから、米朝首脳会談が不調に終わることへの警戒感が高まり、円を買う動きが優勢となった。また、新興国通貨の下げが加速したことに加え、米国の関税措置に各国から非難が集まっていることから、G7首脳会議で米国が孤立するとの観測が広がったことも、リスク回避の動きを強めた。引けにかけては、G7や米朝首脳会談などのイベントの結果を見極めたいとの思惑から小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
週末であることや、G7首脳会議、来週のFOMC、ECB理事会、米朝首脳会談を控えて積極的に動き難く、ポジション調整の動きが中心となる可能性も考えられる。ただ、株価や米国の金利動向に左右される展開も考えられることから、他市場の動きにも注目したい。
また、米国市場では主要な経済指標の発表がなく、やや限定的な動きとなる可能性も考えられる。そして、米国の関税措置に関して各国から非難が高まっており、本日からカナダで開催されるG7サミットでは、合意文書が出されないとの観測も出ている。平行線のまま終了するのか、米国の妥協案の可能性が示されるのか注目される。