前営業日トピックス
前日の海外市場では、米国と中国およびEUとの貿易摩擦が意識され、リスクを回避する姿勢が投資家に広がったが、日本時間では目立った取引材料がなく、序盤から小動きの展開が続いた。その後、欧州主要株価や米長期金利の上昇を受けて、欧州勢が円売り・ドル買いを先行させたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。 米国市場では、トランプ米大統領がツイッターへの投稿で、EUから輸入する自動車全てに20%の関税を賦課する可能性に言及したことから、米国の対外の貿易問題に対する懸念が高まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、ドルは上値の重い動きとなったが、原油価格の上昇などもあり、資源国通貨は堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国、中国、EUとの貿易摩擦に対する懸念が一服し、序盤から小動きの展開となった。新規材料に乏しいことも影響し、レンジ内の動きが続いた。ただ、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は上昇した。
(2)200円以上下落して始まった日経平均株価が軟調な動きとなったことが影響し、全般的に上値の重い動きが続いた。ただ、フランス、ユーロ圏の総合PMI速報値が市場予想に反して上昇したことから、ショートスクイーズが誘発された。また、欧州主要株価や米長期金利の上昇も影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、トランプ大統領が米国製品に対する関税や他の貿易障壁をEUが早急に取り除かない場合、域内から輸入する全ての自動車に20%の関税を賦課する考えを示したことを受けて、米国の対外の貿易問題に対する懸念が高まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、米10年債利回りが2.90%を割り込む展開となったことも影響した。
(4)下げが一服後は、全般的に底固い動きが続いたが、特に株価や原油など資源価格の上昇もあり、豪ドルやカナダドルなどの資源国通貨は終盤まで堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
注目されたトルコの大統領選では、エルドアン大統領の勝利となり、トルコリラは上昇して始まった。マーケットでは、今後の政策などに注目が移っている。
米国市場では、米国の新築住宅販売件数の発表が予定されているが、このところ米住宅関連の経済指標の鈍化傾向が続いており、その流れが続く場合には敏感に反応する可能性が考えられる。
6/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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66.5万件 | 66.2万件 |
前回は、市場予想を下回り、前月からも低下した。住宅価格の上昇や借り入れコストの上昇が影響した。最近の住宅関連の経済指標にやや陰りが見られており、長期金利の上昇や在庫減少が影響している。今回は、前回から若干の上昇が予想されているが、予想外の低下となる場合には、ドル相場に影響する可能性が考えられる。 |
気まぐれ投資コラム
今後のトルコの金融政策に注目
6/24投開票のトルコ大統領選で、現職のエルドアン大統領が勝利を宣言しました。エルドアン氏の勝利宣言を受けて、目先の政治的不透明感の後退をひとまず好感する形となり、マーケットではトルコ・コリら買いに反応しています。ただ、野党は不正が行われたと主張しているとの報道も出ています。
現地通信社によると、開票率96%時点で得票率はエルドアン氏が53%、最大野党・共和人民党(CHP)のインジェ氏が31%。総選挙の得票率は与党・公正発展党(AKP)主導の政党連合が54%、主要野党連合が34%、クルド人中心の国民民主主義党(HDP)が11%。これにより、与党連合は国会で過半数議席を得ることになりますが、AKP単独で過半数を得られるかは連合を組む民族主義政党次第となります。
エルドアン大統領下で急速な経済発展を遂げてきましたが、今年に入り失速の兆候がみられています。そして、大統領が利下げを主張して中銀と対立する中、資本逃避などからトルコリラは急落しています。エルドアン大統領が勝利したことから、今後の金融政策などが注目されています。
※出所:FX総合分析チャート