前営業日トピックス
前週末発表の米雇用統計で賃金が伸び悩んだことから、FRBによる利上げペースが鈍化するとの観測が広がったことが影響し、序盤からドルは上値の重い動きとなった。そして、日経平均株価が堅調な動きとなったことが影響し、ドル円・クロス円が上昇する場面があったものの、上値は限定的となり、小動きの展開が続いた。
米国市場では、経済指標の発表がなかったものの、米国株の大幅上昇を受けて、投資家のリスク志向が強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、英外相がEU離脱の政策を巡って辞任したことから、英国の政局不安が高まり、ポンドは主要通貨に対して下落した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国の対中関税の発動や雇用統計など一連のイベントが終了し、一服感から小動きの展開が続いた。日経平均株価が堅調となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、上値は限定的だった。また、朝方、英国のデービスEU離脱担当相が辞任を表明したことを受けて、ポンドは軟調な動きとなった。
(2)米国市場では、主要な経済指標の発表がなく序盤は小動きとなった。ただ、先週末の米雇用統計で、雇用者数の伸びが堅調だったことや、米中貿易摩擦への懸念が後退したことが改めて材料視され、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、米国株が大幅上昇となったことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ユーロは、ECB政策委員会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁が、マイナス金利が恒久的であってはならないと発言し、タカ派的なトーンを維持したことを受けて、堅調な動きとなった。しかし、その後ドラギECB総裁が慎重な政策方針を改めて示したことから、軟調となる場面もあった。一方、英国のデービスEU離脱担当相の辞任に次いで、ジョンソン外相もEU離脱の政策を巡って辞任したことから、英国の政局不安が高まり、ポンドは主要通貨に対して下落した。
本日のトピックス
英国のEU離脱の政策を巡って英政府の2人の閣僚が辞任したことで、メイ首相の退陣圧力が高まる可能性が指摘されており、関連する要人発言や報道に注目したい。また、トルコのエルドアン大統領が、トルコ中銀総裁の5年任期を撤廃したことで、中銀の独立性に対する懸念が高まったことや、財務相に娘婿を指名したことなどもあり、トルコ格下げの噂も出ている。そのため、トルコリラの動きには注意したい。
米国市場では、雇用関連の経済指標の発表が予定されているが、反応は限定的だろう。そして、米企業決算に対する期待感が高まっており、株価やドルは底固い動きが続く可能性が考えられる。ただ、貿易問題に関連するネガティブな報道や要人発言が出る場合には、上値の重い動きとなってしまう可能性もあり、やや警戒が必要だろう。
7/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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666.0万件 | 669.8万件 |
前回は、予想回の増加となり、過去最高を更新した。ビジネスサービスを中心に幅広い業種で増加となっており、豊富な求人が維持されている。今回は、前回から若干の低下が予想されているものの、大きな影響はないだろう。 |