前営業日トピックス
前日の海外市場で米国の利上げペースが早まるとの観測が広がり、ドルを買いが優勢となった流れが一服し序盤は小動きの展開となった。その後、人民元が対ドルで下げ幅を拡大したことが影響し、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価や欧州主要株価の上昇、米長期金利の上昇もあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米消費者物価指数が前月比で伸び幅が鈍化したことが嫌気され、ドルは主要通貨の大半に対し下落した。その後、米中貿易摩擦への懸念がやわらいだとの見方が広がり、投資家のリスク選好の動きも回復し、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場ではドルが全面高となり、1/10以来半年ぶり高値を更新したが、東京市場では、堅調な動きがやや一服し、序盤から小動きの展開となった。
(2)人民元の対ドル基準値の下落率が2017/1/9以来で最大となったことで、改めてドル買いが強まった。さらに、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比301円高まで上昇したことにもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)日経平均株価や欧州主要株価が堅調な動きとなったことで、投資家のリスク志向の動きが強まった。さらに、米長期金利の上昇も加わったことで円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
(4)米消費者物価指数が3ヵ月連続のプラスとなったものの、伸び幅が前月から鈍化したことを受け、ドルは大半の主要通貨に対し下落した。また、米財務長官が関税の経済への影響を注視していると発言する一方、中国商務省が出した声明では、貿易摩擦の責任は米国にあるとの見解が示されたものの、その語調は和らいだと受け止められたことから、投資家のリスク選好の動きも回復し、ナスダック指数が過去最高値を更新するなど、米主要株価が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、米中貿易問題に対する懸念が後退したとの見方から、米株価が上昇となり、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。昨日の米財務長官の発言(貿易戦争ではない、交渉の余地がある等)は懸念の鎮静化を計っているとの見方もできる。米国の追加関税決定の最終期限が8月末から9月であることから、こじれて貿易戦争となる場合には中間選挙への影響も懸念される。一方、中国では景気後退が懸念されていることもあり、貿易戦争には互いにメリットがないと考えられる。それを見越したドル買いとの見方も一部ではささやかれている。その点から、本日発表される中国の貿易収支や、週明け7/16に発表されるGDP、小売売上高、固定資産投資など中国の重要指標の結果に注目したい。
7/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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0.1% | 0.6% |
前回は、市場予想を上回り、4ヵ月ぶりの高い伸びとなった。エネルギー価格の上昇が物価を押し上げる結果となった。今回は、上げ幅の低下が予想されており、5月より原油価格が下落していることが影響する可能性もある。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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98.0 | 98.2 |
6月は市場予想を下回る結果となり、確定値は速報値から下方修正された。貿易問題が米景気に及ぼす影響が懸念された。引き続き、貿易問題に対する懸念が消費者のマインドに影響する可能性が考えられる。特に、現在の景況感の指数に注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、持ち合いを上抜けて堅調な動きが続いている。オシレーターのMACDでは、両線が上向きとなり、乖離幅が拡大していることから、この拡大が続くのか注目したい。そして、週足ベースでは、一目均衡表の雲を上抜けていることから、中期的にも堅調を示唆するチャート形状となっている。
パターン上の上値目標の計算値は、114.306(上抜けポイントから)、113.990(アペックスから)、パラレルライン上と予測できる。ただ、パターンの進入角度からすると、やや急な動きとなっていることから、目先の調整の動きのも注意したい。
目先の上値のポイント
(1)113.00(重要レジスタンス)(2)113.38(レジスタンス)(3)113.75 (重要レジスタンス)
目先の下値のポイント
(1)112.46(本日安値)(2)112.00(サポート)(3)111.75(サポート)