前営業日トピックス
日本が祝日で東京市場が休場となったことから、アジア市場では限定的な動きとなった。ただ、注目されていた中国の経済指標がやや冴えない結果となったことが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドル買い・円売りとなる場面もあった。
NY市場では、序盤に発表された米小売売上高が5ヵ月連続のプラスとなったことなどが好感され、ドルは序盤固い動きとなった。しかし、IMF(国際通貨基金)が発表した世界経済見通しで、貿易紛争に危機感を示したことに加え、米国がWTO(世界貿易機関)に加盟する5ヵ国・地域に対する提訴の手続きを開始したことを受けて、相対的に安全な通貨とされる円が買われ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本が祝日で主要市場休場となり、アジア市場ではやや限定的な動きが続いた。しかし、中国のGDPが2年ぶりの低水準に低下したことなどもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。そして、欧州勢の参入後に対欧州通貨でドル安が進んだ流れを受けて、ドルは一段の下落となる場面もあった。
(2)米長期金利の上昇を背景に、ドルの買い戻しが進み、ドル/円は112.50台を回復したものの、欧州の主要株価下落などが影響して、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州勢の参入後に対欧州通貨でドル安が進んだ流れを受けて、一段の下落となる場面もあった。
(3)米小売売上高が市場予想と一致し、5ヵ月連続のプラスとなったことや、NY連銀指数が予想を上回る結果となったものの、ともに前月から低下したことから、ドルの上値は限定的となった。そして、米国の鉄鋼・アルミニウム関税に対する報復関税は不当だと主張している中国、EU、カナダ、メキシコ、トルコの5ヵ国・地域に対する提訴の手続きを米国が開始したことを受けて、貿易問題を巡る対立懸念からリスク選好の動きが後退し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
本日は英中銀の総裁、副総裁それぞれの発言や、米FRB議長の議会証言が予定されており、発言の内容が注目される。マーケットでは、先の英中銀のMPC(金融政策委員会)で、利上げを支持するメンバーが3名に増えたことから、金融政策に関する発言に注目している。一方、半期に1度となる米上院銀行委員会でのパウエルFRB議長の議会証言が予定されており、緩やかなペースの利上げが適切との見解を表明すると見られている。しかし、通商問題に関して何らかの警戒感を示唆するようなら、リスク回避の動きが強まる可能性もあるだろう。
7/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:15 | 米国 |
6月鉱工業生産(前月比)
鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
|
0.5% | -0.1% |
前回は、市場予想を下回り、4ヵ月ぶりのマイナスとなり、自動車生産の落ち込みが影響した。今回は、前回の反動で改善が予想されており、予想程度の伸びとなるようなら好感されるが、2ヵ月連続でマイナスとなるようなら米経済の先行き懸念が意識される可能性もあるだろう。 |