前営業日トピックス
東京市場では、序盤から堅調な動きとなったものの、上値はやや限定的となった。その後、中国人民銀行が人民元の基準値を昨年7月以来の安値に設定したことを受けて、円が買われる場面もあったが、日経平均株価が堅調な動きとなったことに加え、中国が法人税減税などを含む積極的な財政政策を実施する方針を表明したことで、中国主要株価が軒並み1.5%以上の上昇となったことも影響し、円が売られた。
米国市場では、新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。米長期金利や株価にやや左右される動きとなったが、米国とEUの通商協議を翌日に控えていて、様子見ムードも出ており、限定的な動きが続いた。また、米株価が堅調な動きとなったことからクロス円は比較的堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は、前日の海外市場で、米10年国債利回りが2.95%後半と1ヵ月超ぶりの水準に上昇していることもあり、ドルは序盤堅調な動きとなった。また、トランプ大統領は、今週発表される米GDP速報値が4.8%に上昇することを期待していると報道もドルの押し上げ要因となった。
(2)特段材料はなかったものの、日銀が長期金利誘導目標の柔軟化を検討するとの観測報道が引き続き材料視され、円を買い戻す動きが優勢となった。また、中国人民銀行が発表した人民元の対ドル基準値が6.7891元と基準値は2017/7/11以来の元安水準に設定されていたことで、米中の貿易戦争が意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、元が取引開始後に下げ渋ると、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。さらに、中国で法人税減税などを含む積極的な財政政策を実施する方針を受けて、中国主要株価が軒並み1.5%以上の上昇となったことも影響した。
(3)米長期金利が低下したことでドル売り・円買いとなり、ドル/円は軟調な動きとなったが、欧米の株価が堅調な動きとなったことから、クロス円は比較的底固い動きとなった。一方、トルコ中銀が政策金利である1週間物レポ金利を市場の予想に反して据え置いたことから、エルドアン大統領支配下のトルコ中銀の独立性について疑問が深まり、トルコリラ、トルコ株が急落となった。
(4)111円台割れでは値頃感の買い戻しもあり、ドルは堅調な動きとなったものの、米国とEUの通商協議を翌日に控えており、様子見ムードから限定的な動きが続いた。一方、米主要株価が堅調な動きとなったこともあり、クロス円は堅調な動きとなった。そして、メイ英首相がEU離脱交渉を自ら指揮すると発表したことを受けて、ソフトブレグジットにつながるとの見方が支援材料となり、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
先週末から週明けの東京市場まで続いた急速な動きが一服しており、比較的落ち着いた動きが続く可能性が考えられる。また、米国とEUの通商協議(トランプ米大統領とユンケル欧州委員会委員長との会談)が予定されていることから、協議の結果を見極めたいとの思惑も積極的な売買が手控えられる要因となるだろう。そのため、協議の内容などに関する報道、要人発言を受けて大きく動きが出る可能性があり、注意が必要だろう。また、米国市場では、新築住宅販売件数の発表が予定されており、このところの住宅関連の経済指標の悪化が続いていることから、マーケットでは予想以上の悪化を予想する向きもあり、結果が注目される。
7/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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66.8万件 | 68.9万件 |
前回は、市場予想を上回り、6ヵ月ぶりの高水準となった。最大市場である南部での販売が2007年以来の高い伸びとなったことが影響した。今回は、前回の反動もあり、減少が予想されている。特に、最近の住宅関連の経済指標の悪化が目立っているだけに、予想以上の減少の可能性を指摘する向きもあり、結果が注目される。 |