前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、やや軟調な展開で始まった。日本時間に入り、日銀による金融緩和政策の調整観測が改めて材料視され、日本の長期金利が上昇したことで、円が買われ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。午後に日銀が指し値オペを通告したことを受けて、円が売られる場面も見られたが、日銀金融政策決定会合への警戒が根強く、上昇は一時的となった。その後、米長期金利の上昇を受けて、ドル買い・円売りとなる場面もあった。
米国市場では、注目された4-6月の米GDP速報値が2014年以来の高い伸びとなったが、市場予想を下回ったことからドルは軟調な動きとなった。また、その後に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が6ヵ月ぶりの低水準となったことも加わり、ドルは大半の主要通貨に対し下落した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場で堅調な動きとなった流れが一服し、やや上値の重い動きとなった。スポット取引の決済は月末に当たるため、輸入企業によるドル買いが予想されたが、実需のフローは限定的となり、ドルの上値も限定的となった。日本の10年債利回りが0.105%と昨年7月以来1年ぶりの高水準を付けたことも、円買い材料となった。
(2)日銀が指し値オペを通告したことを受けて、円売りとなった。しかし、日本の長期債利回りが上昇したことから、再び円が買われ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、時間外取引で米長期債利回りが上昇したことから、ドル買い・円売りとなった。
(3)4-6月の米GDP速報値が2014年以来の高い伸びとなったが、市場予想を下回ったことが嫌気され、ドルは軟調な動きとなった。また、米長期債利回りが低下したことも影響した。さらに、その後に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が貿易摩擦を巡る懸念が影響して、6ヵ月ぶりの低水準となったことも加わり、ドルは大半の主要通貨に対し下落した。
本日のトピックス
日銀の金融政策決定会合の結果発表を翌日に予定されており、長期金利目標やETF(上場投資信託)買い入れの柔軟化などが検討されているとの報道が相次いだことで、思惑が交錯している。そのため、結果を見極めたいとの様子見ムードが強まる可能性もあり、東京時間ではやや限定的な動きも考えられる。一方、米国でも8/1にFOMCや週末に米雇用統計の発表を控えていること、また、本日米国の主要な経済指標の発表がないことから、引き続き限定的な動きとなる可能性が考えられる。ただ、要人発言などには注意したい。
7/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
6月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
|
0.2% | -0.5% |
前回は、市場予想を下回り、2ヵ月連続のマイナスとなった。在庫不足から住宅価格の上昇、ローン金利の上昇が要因となっている。今回は、3ヵ月ぶりのプラスが予想されているが、状況が改善しているわけではない。特に、中古住宅の先行指標となることから、中身の数字にも注目したい。 |
気まぐれ投資コラム
円の売り越しが3月以来の高水準
CFTC(米商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の投機部門の取組では、ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する買い越し額が2017年1月以来の高水準となった。ドルの買い越し額は203億3000万ドル(前週184億1000万ドル)と拡大、買い越しは6週連続だった。また、ニュージーランドドル、メキシコペソ、ブラジルレアル、ロシアルーブルを含めた全通貨に対しては、218億5000万ドルの買い越し(前週197億4000万ドル)と買い越し額が拡大した。一方、円の売り越しは増加し、3月以来の高水準となった。
※出所:CFTCのデータを基にSBILMが作成
※出所:CFTCのデータを基にSBILMが作成