前営業日トピックス
東京市場では、序盤やや小動きの展開となったが、薄商いの中で実需のドル買い・円売りを受けて、堅調な動きとなった。その後、トルコが米製品に対する関税を大幅に引き上げたことを受けて、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、日経平均株価や中国株の下落も影響した。その後、トルコリラや南アランドが急上昇となったことを受けて円売りが強まり、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。
米国市場では、トルコ情勢の悪化懸念が強まったことに加え、米主要株価の下落を受けて、投資家のリスク回避の動きから相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から軟調となった。しかし、カタールがトルコに150億ドルの直接投資を約束したとの報道を受けて、トルコ情勢への懸念がやや後退したことや、株価が下げ幅を縮小したことも加わり、その後は値を戻した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は小動きの展開が続いたが、夏季休暇で薄商いの中、実需の売買が集中する五・十日だったことから、仲値公示にかけて少ないながらも実需のドル買い・円売りフローに反応し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は一時1週間ぶりの高値を付けた。
(2)南アランドがドルや円など主要通貨に対して下落したことから、再び新興国通貨に対する懸念が高まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、日経平均や香港、中国株が下落したことも影響した。また、トルコが乗用車、アルコール、たばこなどの米製品に対する関税の大幅引き上げが発表されたことから、リスク回避の動きが加速した。
(3)朝方から対ドルで1%以上の下落となっていた南アランドが上昇に転じ、トルコリラとともに急速な上昇となったことから、ドル円・クロス円も上昇となったが、思惑が交錯して値動きの荒い動きが続いた。
(4)米経済指標が軒並み良好な結果となったものの、トルコ情勢悪化への懸念や、新興国市場を巡る不安を背景に、投資家のリスク回避の動きから相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが優勢となった。また、米主要株価の下落も圧迫要因となった。
(5)カタールがトルコに150億ドル(約1兆6600億円)の直接投資を約束したとの報道を受けて、トルコ情勢への懸念がやや後退したことから、トルコリラは上昇となった。また、株価が下げ幅を縮小したことも加わり、ドル円・クロス円は値を戻した。ただ、その一方で、他の新興国通貨の大半が下落となり、特に南アランドとメキシコペソなどの下げが大きくなった。
本日のトピックス
昨晩の海外市場では、カタールがトルコに150億ドルの直接投資を約束したとの報道を受けて、トルコリラが上昇したものの、トルコ情勢への懸念や新興国の通貨危機は脱していないとの見方も根強く、上値は限定的となっている。そして、週明けに続き、昨日も欧州タイム序盤にトルコリラや南アランドが急速な動きとなり、ドル円・クロス円などもやや荒っぽい動きとなったことから、本日も欧州タイム入り前後の動きには警戒したい。また、アルバイラク・トルコ財務相が電話会議で投資家にどのようなメッセージを発するのかにも注目したい。
米国市場では、住宅着工・建設許可件数の発表が予定されているが、このところ住宅関連は冴えない結果が続いていることから、結果に注目したい。
8/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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126.0万件 | 117.3万件 |
前回は、市場予想を大きく下回る結果となり、10年ぶりの高水準となった5月から大きく低下となり、2017年9月以来の低水準となった。住宅ローン金利や労働コスト、資材の上昇が影響した。今回は、反動で増加が予想されているが、先行指標となる建設許可件数が3ヵ月連続で減少していることから、予想程の上昇が見込めないとの見方もあり、結果が注目される。 |