前営業日トピックス
新規材料に乏しい中、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉を巡る米国とメキシコの基本合意が材料視され、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。また、日経平均株価が堅調な動きとなったことも影響した。午後には、日経平均株価が下落したことに加え、鈴木日銀審議委員の発言に反応し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された4-6月期の米GDP改定値が市場予想を上回ったことや、米主要株価が堅調な動きとなったことを受けて、投資家のリスク志向が強まり、相対的に安全な通貨とされる円を売ってドルを買う動きが優勢となった。米株式市場では、ダウ平均株価が約7ヵ月ぶりの高値で終了、一方S&P500は初めて2900を上回り、ハイテク株中心のナスダックとともに4営業日連続で過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国市場の堅調な流れが一服し、序盤はやや上値の重い展開で始まった。そして、米株価上昇を受けて、日経平均株価が堅調な展開で始まったことや、スポ末(スポット取引の応当日が月末)で輸入企業のドル買い・円売りが入ったことも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、鈴木日銀審議委員が副作用軽減に、「たとえば金利の引き上げがある」と発言したことに反応し、円が買われた。また、豪大手銀行が住宅ローン金利を引き上げたことが材料視され、豪ドルが主要通貨に対して下落した。また、トルコリラも欧州タイム序盤に下落となった。
(3)4-6月期の米GDP改定値が市場予想を上回ったことや、米主要株価が堅調な動きとなったことを受けて、投資家のリスク志向が強まり、相対的に安全な通貨とされる円を売ってドルを買う動きが優勢となった。また、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉を巡る米国とカナダの協議進展に対する期待感が高まったことも支援材料とった。一方、英国のEU離脱問題でEUの首席交渉官を務めるバルニエ氏がベルリンで、「前例のない特例的な提携関係を英国に提案する用意がEUにはある」と発言したことを受けて、EUと合意に達するとの楽観が広がり、ポンドはドルや円など主要通貨に対して急騰した。
本日のトピックス
月末で実需の動きが限定的が予想される中、堅調な動きが続く株価が注目される。また、欧州タイム前後の仕掛け的な動きには引き続き注意したい。
米国市場では、米国とメキシコが合意したことで、焦点はカナダが新協定で譲歩するのかが注目されており、関連する報道や要人発言には注目したい。そして、米個人所得・支出、デフレーターの発表が予定されており、昨晩の米GDPが良好な結果となったことから期待感もあり、結果が注目される。良好な結果なら、確実視されている9月の利上げが意識される可能性もあるだろう。
※ 9/3-10の「マーケットトピックス」は、諸事情により休刊とさせていただきます。
8/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
7月個人消費支出(PCE)(前年比)
米国の個人消費支出は、米国の家計が消費した財やサービスを集計した経済指標。個人消費はGDPの約7割を占めることから、個人消費支出はGDPの先行指標として注目されている。特に、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは、FRBがインフレ指標として重視していることから、特に注目される。
|
2.3% | 2.2% |
前回は市場予想を下回ったものの、前月から横ばいとなり、2012年3月以来の高い伸びを維持した。FRBの目標である2%を上回っており、引き続き好調な伸びが続くと予想されている。予想通りの伸びとなるようなら、ドルの下支え要因となるだろう。 |