前営業日トピックス
東京市場では、序盤小動きとなったものの、日経平均株価が大きく上昇して始まったことや、実需のドル買い・円売りもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。日経平均株価が取引時間中としてバブル経済崩壊後の最高値を更新し、投資家心理が改善したこともドル買いを誘い、ドル円は年初来高値を更新した。しかし、欧州主要株価が下落して始まったことや、米株価先物が下落したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標がほぼ予想の範囲内の結果となったが、米長期債利回りが上昇したことを受けてドル買いが優勢となった。その後、一服感から上値の重い動きが見られたが、終盤にかけて米長期債利回りが一段の上昇となったことで再びドル買いが強まり、ドル/円は昨年12/12以来の高値を付けた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の堅調流れが一服し、ドル円・クロス円は小動きの展開となった。特に、ドル円は113.35から113.44での狭いレンジ内の動きが続いた。そして、月末で四半期末、かつ日本勢の半期末であることから、実需のドル買いフローも見られ、仲値公示近辺にかけて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)週末・月末で仲値公示を通過したことでやや一服感が出たことや、バブル経済崩壊後の最高値を更新した日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、欧州主要株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)序盤に発表された米経済指標がほぼ予想通りの結果だったものの、米長期債利回りが上昇したことを受けて、日米金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが優勢となった。また、クロス円も堅調な動きとなった。
(4)一服感からやや上値の重い動きが見られたものの、米長期債利回りが一段の上昇となったことから再びドル買いが強まり、ドル/円は昨年12/12以来の高値を付けた。ただ、米株価が上げ幅を縮小したことから、クロス円は上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
内外の株高などを背景に投資家のリスク志向が強まっており、ドル円は朝方に年初来高値を更新し、昨年11/14以来の高値を付けた。そして、114円台乗せに対する期待感も高まっている。しかし、月・期が変わったこともあり、実需などの動きを見極めたいとの思惑に加え、米経済のピークアウトや米中貿易摩擦の深刻化などの懸念もあることから、やや上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
米国市場では、製造業関連の経済指標の発表が予定されており、このところの米経済指標では、強い結果と弱い結果のどちらも見られることから、結果が注目される。また、FOMCが終了したことで、先週後半から米当局者の発言が多くなっている。本日も複数の当局者の発言が予定されており、発言の内容に注目したい。
10/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
ISM製造業景況指数-9月
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
|
60.0 | 61.3 |
前回は、市場予想を上回り、2004年5月以来14年ぶりの高水準となった。受注や入荷遅延が押し上げ要因となった。また、雇用も6ヵ月ぶりの高水準となったことも影響した。今回は、前回からの低下が予想されている。依然として高水準域で推移しているものの、予想以上の低下となる場合には注意が必要だろう。 |