前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤は小動きの展開となった。その後、上げ幅を縮小した日経平均株価が再び堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後は、米長期金利の低下などもあり、上値の重い動きが続いた。そして、注目された米雇用統計では、雇用者数の伸びが予想を下回り、米景気の先行き不安からドルは主要通貨に対して下落した。
さらに、ナバロ国家通商委員長が、「期限内に米中通商協議に進展が見られなければ、新たな関税を課す用意がある」と発言したことを受けて、米株価が軒並み大幅下落となったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均が堅調な展開で始まり、一時230円以上の上昇となったものの、その後上げ幅を縮小したことから、序盤のドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。その後は、上げ幅を縮小していた日経平均株価が再び反発したことに加え、上海株の上昇も加わり、堅調な動きとなった。
(2)2.9%台まで上昇していた米10年債利回りが2.8%台まで低下したことや、上海株など中国株がマイナス圏まで下落したこともあり、上値の重い動きが続いた。また、米雇用統計の発表を控えて積極的な売買が手控えられたことも影響した。
(3)米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回る結果となったことを受けて、米景気の減速懸念や米国の利上げペースの鈍化観測が意識され、ドルは主要通貨に対して下落した。その後、中国通信大手ファーウェイ幹部の逮捕の影響が懸念される中、ナバロ国家通商委員長が、「猶予期間の90日以内に進展がなければ新たな関税を課す用意がある」と発言したことを受けて、米中通商問題に対する懸念が強まったことで米株価が軒並み大幅下落となり、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
先週末の米雇用統計では、失業率は3ヵ月連続で歴史的な低水準を維持したものの、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回る結果となったことを受けて、米景気の減速懸念に加え、米国の利上げペースの鈍化観測が強まり、ドルは軟調な動きとなった。
本日の東京市場では、海外市場の影響を受けて、株価が大きく下落しており、引き続き上値の重い動きが続く可能性が考えられる。
米国市場では、雇用関連の経済指標(JOLT求人件数)の発表が予定されているが、反応は限定的だろう。ただ、最近のマーケットでは、ネガティブな材料には特に敏感に反応する傾向があることから、経済指標や通商問題に関する報道には注意したい。なお、来週にFOMCを控えていることから、週明けから米当局者の発言は規制されている。(ブラックアウト期間)