前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しく、序盤から小動きの展開となった。日本やアジアの株式市場もやや値動きに乏しい展開となったことも影響した。午後に入り、ユーロが主要通貨に対して軟調な動きとなったことから、対ユーロで上げ幅を拡大しているドルが押し上げられた。
米国市場では、米商務長官が米中通商問題解消にはほど遠いとの認識を示したことを受けて、ドルは軟調な動きとなった。一方、ECB理事会後の会見で、ドラギ総裁がハト派的な認識を示したことを受けて、ユーロも主要通貨に対して下落した。その後、買い戻しが見られたが、米政府機関の閉鎖が長期化するとの懸念が高まったことを背景に、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)下落して始まった日経平均株価がプラス圏まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きが見られた。しかし、株価が再び下落に転じたこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)新規材料に乏しい中、ECB理事会を控えた警戒感からユーロがドルなどに対して下落しており、ドルは押し上げられて小動きながら堅調な動きとなった。
(3)ロス米商務長官がインタビューで、中国との通商協議が解決には程遠い状況にあるとの認識を示したことを受けて、米中通商問題の先行き懸念が広がり、ドルは軟調な動きとなった。一方、ECB理事会後の会見でドラギ総裁が「ユーロ圏の成長見通しを巡るリスクは下向きに傾いた」との認識を示したことを受けて、ユーロ売りが加速した。
(4)ドルは値頃感の買い戻しに加え、クドロー国家経済会議委員長が「トランプ大統領は中国との貿易協定について楽観している」、「1月の雇用統計はかなり良いだろう」と発言したことを受けて、底固い動きが見られた。ただ、米上院での共和党と民主党の各予算案は、採決に持ち込むための動議を否決との報道を受けて、米政府機関の閉鎖が長期化するとの懸念を背景に、上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨晩、米上院では、共和党と民主党の各予算案を採決に持ち込むための動議が予想通り否決された。これを受けて、米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの懸念が広がり、ドルは上値の重い動きとなった。そして、朝方、国境の壁問題に関して、ホワイトハウスが国家非常事態宣言の草案を準備しているとの報道が入るなど、国境壁建設予算の問題に動きが出る可能性も出てきた。
一方、英国のEU離脱問題に関しては、朝方の報道を受けて急上昇する場面もあったが、マーケットは関連する報道にかなり敏感になっていると考えられる。そのため、引き続き報道を受けて動きが出る(乱高下)可能性も考えられることから注意したい。