前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏に下落したことや、米長期債利回りがやや低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。110円台では、実需のドル売りが観測されたようで、ドル/円は上値の重い動きとなった。その後は、欧州株の上昇や米長期金利の上昇もあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、トランプ米大統領による一般教書演説を控えて様子見ムードが広がっており、ドル円・クロス円はやや限定的な動きが続いた。そして、1月のISM非製造業景況指数が市場予想を下回る結果となったものの、反応は限定的だった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国経済の先行き懸念が和らぎ、円売り・ドル買いが先行した。序盤に上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、また、五・十日でもあり、110円台に載せる場面では輸出企業のドル売りも観測されるなど、上値の重い動きとなった。一方、豪州の小売売上高が悪化したことから豪ドルは主要通貨に対して下落した。
(2)トランプ米大統領の一般教書演説を控えて様子見ムードが出ており、110円台近辺では上値の重い動きが続いたことや、米長期金利がやや低下したことも上値を圧迫し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。豪中銀は、予想通り政策金利を据え置いたが、声明が事前の予想ほどハト派的ではなく、利下げ期待を高めるほどではないとの見方が広がり、豪ドルは主要通貨に対して上昇した。
(3)欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利の上昇を受けて円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。一方、英サービス業PMIが2年半ぶり低水準となったことや、英国のEU離脱を巡る懸念が材料視され、ポンドは軟調な動きとなった。
(4)米国市場では、トランプ米大統領による一般教書演説を控えて様子見ムードが広がり、ポジション調整の動きが先行した。また、1月のISM非製造業景況指数が市場予想を下回り、昨年7月以来の低水準となったことも影響し、ドルは対円でやや上値の重い動きとなった。その後は、米主要株価指数の堅調な動きが続いたこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。一方、アイルランド訪問中のメイ首相の発言を受けて、依然として進展が見られないとの見方からポンドの下落が続いており、ドルや円などに対して2週間ぶりの安値を付けた。
本日のトピックス
15時半頃に豪州中銀総裁の講演が予定されており、発言の内容が注目される。昨日の金融政策発表の声明がマーケットの予想よりもタカ派的だったことで豪ドル買いに反応したが、ここまで総裁は「次の金利変更は利上げになる可能性が高い」と発言している。この見方を維持しない場合には、豪ドルの圧迫要因となる可能性もあるだろう。しかし、これまでと同じ発言をするようなら、豪ドルの下支え要因となる可能性も考えられる。
米国市場では、パウエルFRB議長の講演が予定されており、こちらの発言にも注目が集まっている。先週のFOMCでは、利上げとバランスシート縮小の休止が示唆され、パウエルFRB議長は会見で利上げの論拠が弱まったとハト派的な発言をしている。このことから、講演での発言の内容が注目されており、引き続きハト派的な発言が続くようなら、ドルの圧迫要因となる可能性も考えられる。
2/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-540億USD | -555億USD |
前回は、市場予想を上回る赤字額となり、2008年10月以来の大幅な赤字となった。輸入が過去最高に拡大した一方、輸出がほぼ横ばいだったことが影響した。また、対中赤字は過去最大を更新した。今回は、前回から赤字額が縮小すると予想されているが、米中通商協議の進展期待があるだけに、対中赤字が拡大するようなら、懸念が膨らむ可能性もあるだろう。 |