前営業日トピックス
東京市場では、米大統領の一般教書演説を控えて様子見ムードがあり、序盤から小動きの展開となった。その後、豪中銀総裁の発言を受けて豪ドルが大きく下落、トランプ大統領の一般教書演説を受けてドルも下落した。午後には、株価が上げ幅を縮小したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、貿易収支が予想より改善したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。しかし、米長期金利の低下などもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、米10年債の入札が冴えない結果となり、米10年債利回りが上昇したことから、ドル買い・円売りが優勢となり、クロス円も底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、トランプ米大統領の一般教書演説を控えて様子見ムードが強まっており、主要通貨は序盤から小動きの展開が続いた。その中で、本邦輸出企業のドル売り観測から、仲値公示にかけてドル/円は軟調な動きとなった。
(2)ロウ豪中銀総裁が講演で、失業増、インフレ停滞が続く場合、利下げが適切になるとの考えを示したことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して下落となり、ドルや円に対して1週間ぶりの安値まで下落した。ドルは対豪ドルで大きく上昇したこともあり、対円でも堅調な動きとなり、一時110円台まで上昇した。
(3)トランプ米大統領の一般教書演説では、民主党との融和姿勢を示したが、事前に演説原稿の一部が報道されことや、やや内容に新鮮味がなったと受け止められたことから、ドル売りに反応した。また、株価が上げ幅を縮小したことや、米長期金利の低下もあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、豪ドルの下落は続いており、対ドルでは豪中銀総裁の講演前の0.724ドルから0.712まで下落、対円では79.66から78.06まで下落する動きとなった。
(4)米長期金利の上昇を受けてドルは堅調な動きとなり、さらにムニューシン米財務長官が「大統領とFRB議長の会談は有意義だった」、「カナダ、メキシコとの新協定、議会は承認するだろう」と発言したこと、また米貿易赤字が半年ぶりに減少に転じ、過去最高を更新していた対中赤字が12%減少したことも加わり、ドルは主要通貨に対して上昇した。一方、ドイツの経済指標の悪化や、IMF(国際通貨基金)がイタリアの成長率見通しは1%以下との見方を示したことを受けて、ユーロ圏経済の減速懸念が広がり、ユーロは軟調な動きが続き、対ドルで約2週間ぶりの安値水準まで下落した。
(5)トランプ米大統領の一般教書演説の内容が予想ほど踏み込んだ内容ではないと受け止められたことや、米長期金利の低下も加わり、上値の重い動きとなった。その後、米10年債の入札で、最高落札利回り、応札倍率がともに前回を下回るなど、最近冴えない入札結果が続いていることを受けて、米10年債利回りが2.67%から2.70%まで上昇となり、ドル/円は一時110.00まで上昇した。また、クロス円も底固い動きとなった。
本日のトピックス
欧州市場では、英中銀のMPC(金融政策委員会)が予定されており、金利などの政策は据え置きがコンセンサスだが、英国のEU離脱を巡る不透明感や、経済への影響が指摘される場合には、ポンドの圧迫要因となる可能性もあり、声明などに注目したい。
米国市場では、新規失業保険申請件数が予定されているが、今回発表される集計期間に米国の一部地域で悪天候となったことから、その影響で申請件数が予想以上に減少すると一部では予想されており、こちらの結果も注目される。
2/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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22.3万件 | 25.3万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、約1年ぶりの高水準に悪化した。政府機関の閉鎖や季節的要因も影響した。今回は、前週からの改善が予想されているが、米国の一部地域の悪天候の影響で申請できなかったケースも予想され、予想以上に減少する可能性も考えられる。ただ、季節的な要因が続いている可能性もあり、予想ほどの改善はないとの見方もある。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
豪ドル/円は、前日の豪中銀総裁のハト派的な発言を受けて、大きく下落した。一目均衡表の雲を上抜けるチャート形状となっているが、雲上限近辺で底固い動きとなり、再び堅調な動きとなるのか、軟調地合いが続く展開となるのか注目したい。
相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、緩やかな上昇が続いているが(本日は75.463)、8日には77.532、週明け11日には78.428まで上昇する。そして、価格帯に近づくことから、価格の基準線の下抜けとなる場合には下げが加速する可能性もあることから注意したい。一方、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、先行するラインが下向きに転換している。両線がクロスする場合には、転換のシグナルの一つとなることから、こちらの形状にも注目したい。