前営業日トピックス
東京市場では、新規材料視乏しい中、日経平均株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。また、オーストラリアのGDPが減速したことに加え、「大手金融機関が7月と8月の豪中銀の利下げを予想」との報道を受けて豪ドルが対円などで下落したことから、他のクロス円にも波及した。その後は底固い動きとなり、ドル/円は一時112円台手前まで上昇した。
米国市場では、米ADP雇用統計、米貿易収支が冴えない結果となったことや、OECDが世界景気の見通しを下方修正したことを受けて株価が軟調となったことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドル/円は一時111.60台まで下落したものの、その後は底固い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は、日経平均株価が下落したことから上値の重い動きとなった。さらに、112円台では今週期日を迎えるオプションがあるとされたことや、仲値公示にかけて112円近辺での実需のドル売り・円買いが観測されたことで、ドルは上値の重い動きとなった。一方、オーストラリアのGDPが前期比・前年比ともに減速したことが嫌気され、豪ドルは一段の下落となった。
(2)新規材料に乏しく、株価も狭いレンジ内の動きが続いたことから、ドル円・クロス円も小動きの展開が続いた。しかし、「大手金融機関が7月と8月の豪中銀の利下げを予想」との報道を受けて、豪ドルは一段の下げとなった。その後は、米長期金利の上昇などもあり、底固い動きが続いた。
(3)米国市場序盤に発表された米ADP雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったものの、前回結果が大きく上方修正されたこともあり、反応は限定的だった。しかし、その後に発表された米貿易収支では、赤字額が10年ぶりの高水準となり、対中赤字も拡大したことが嫌気され、ドルはやや上値の重い動きとなった。さらに、OECDが世界景気の見通しを下方修正したことで株価が軟調な動きとなったことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドル/円は、米長期金利の低下も加わり一時111.60台まで下落した。一方、カナダ中銀の金融政策発表では、政策金利が据え置きとなったものの、第4四半期のカナダ経済は広範に予想以上の悪化となったとするなど、ハト派的な声明を受けて、カナダドルは主要通貨に対して下落となった。
(4)米主要株価指数、米国債利回りなどが下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も底固い動きが続いた。
本日のトピックス
欧州市場では、ECB理事会の政策発表が予定されている。政策金利は据え置きがコンセンサスとなっているが、マーケットではドラギECB総裁の定例会見での発言内容などが注目されている。ユーロ圏経済の鈍化懸念が改めて指摘され、ハト派的な見方が示される場合には、ユーロは軟調な動きとなる可能性が考えられる。さらに、第3弾のTLTRO(貸出条件付き流動性供給オペ)導入の可能性が指摘されており、導入が言及される場合にもユーロの圧迫要因となる可能性も考えられる。
米国市場では、複数の雇用関連の経済指標の発表が予定されているが、より重要度が高いとされる昨日のADP雇用統計の結果にも反応は限定的だったことから、大きな動きは期待できないだろう。すでに、注目が週末の米雇用統計に向いている可能性もあり、限定的な動きが続くだろう。
3/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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22.5万件 | 22.5万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、1ヵ月ぶりの低水準から悪化となった。 今回は、前回から横ばいが予想されており、今年ここまでの平均が22.5万件、昨年の平均が22.1万件であることから、これらを下回り改善するのか注目したい。 |