前営業日トピックス
休場明けの東京市場では新規材料に乏しい中、日経平均株価や上海株株価の動向に左右される動きとなった。序盤は、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、ドル/円は110.90まで上昇した。その後は、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、上海株が下落したことを受けて、上値の重い動きとなったものの、日経平均株価が引けにかけてプラス圏まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州市場では、ドイツやフランス、ユーロ圏の製造業PMIが悪化したことや、トルコ中銀が突然金融政策の引き締めをしたことを受けて、ユーロやトルコ・リラなどが下落した。
米国市場では、米製造業PMIが1年9ヵ月ぶりの低水準に悪化したことや、米主要株価指数が序盤から下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米国の長短金利差が逆転し、景気後退に陥るとの懸念が高まったことで投資家のリスク回避の動きが強まった。ドル円・クロス円下げ幅を拡大し、ドル/円は一時109.74まで下落し、2/8以来の安値を付けた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)堅調な展開で始まった日経平均株価を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、上海株が軟調な動きとなったこと、さらに米長期債利回りが低下したことも加わり、軟調な動きとなった。
(2)期末決算を控えた実需の売り・買いが拮抗していたようで、ドルはやや値幅が小さな動きとなった。日経平均が終盤にプラス圏に戻したことや、上海株もプラス圏まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
(3)ドイツやフランス、ユーロ圏の景況感を示す指数が悪化したことに加え、トルコ中銀が金融政策の引き締めをしたことを受けて、欧州時間にユーロやトルコ・リラなどが下落した。
(4)米製造業PMIが1年9ヵ月ぶりの低水準に悪化したことや、米主要株価指数が序盤から下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。なお、その後に発表された中古住宅販売件数が予想を上回る結果となったものの、反応は限定的となった。さらに、米T-Bill(財務省短期証券)と10年債利回りが約12年ぶりに逆転したことで、景気後退に陥るとの懸念を背景に投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は下げ幅を拡大し、ドル/円は一時109.74まで下落し、2/8以来の安値を付けた。
(5)下げ一巡後は、買い戻しの動きから110円台を回復したものの、NY株式市場の主要三指数が揃って安値圏での引けとなったことから109.94円で先週末の取引を終了した。
本日のトピックス
先週末にドル円・クロス円が大幅下落となった流れが一服しているものの、上値は限られた値動きからの取引開始となっている。本日は、目先のポイントとされる110.30、110.50まで戻すのか注目される。また、景気後退に陥るとの懸念が高まったことで、今週発表される主要国の経済指標結果も注目されており、本日はドイツの景気動向、米国の製造業関連の経済指標の発表が予定されている。冴えない結果となるようなら、再び景気後退が意識される展開も予想される。さらに、先週末に大きく下落した欧米の主要株価指数の動きにも注目したい。
3/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:30 | 米国 |
3月ダラス連銀製造業活動指数
ダラス連銀製造業活動指数は、テキサス州の製造業約100社を対象に調査し、生産、雇用、新規受注などの結果を指数化したもの。特に、石油関連企業が多く、エネルギー価格の動向に左右される傾向がある。
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9.6 | 13.1 |
前回は市場予想を上回り、12月に付けた2016年6月以来の低水準から2ヵ月連続で上昇となった。今回は、前回からの減少が予想されており、小幅低下なら影響が限定的だが、大きく低下する場合には製造業に対する懸念が再燃する可能性も考えられる。 |