前営業日トピックス
東京市場では、G20首脳会議や米中首脳会談を控えて引き続き様子見ムードが強まったことから、序盤から小動きの展開となった。ただ、日経平均株価や中国株が、米中首脳会談への警戒感から下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。その後は、低下していた米国債利回りが急反発したことで、ドル円・クロス円は値を戻す場面もあった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が強弱まちまちの結果となったことから、マーケットの反応は限定的だった。米中首脳会談を控えて様子見ムードが強まる中、米中首脳会談を前にして、ムニューシン米財務長官と中国副首相が今後の通商交渉について協議したとの報道を受けて株価が上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。しかし、米中首脳会談の結果を見極めたいとの思惑も根強く、限定的な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)G20首脳会議(大阪サミット)や米中首脳会談を控え様子見ムードが強まったことから、序盤から小動きの展開となった。その中で、トランプ米大統領が日米首脳会談について、「安倍首相と貿易問題について協議する」と述べたことや、日経平均株価が軟調な動きとなったことを受けて、上値の重い動きとなった。仲値公示にかけては輸入のドル買いが観測され、底固い動きが見られたものの、仲値通過後は月末の実需の売りも観測されたことや、日経平均株価、中国株が下げ幅を拡大したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
?
(2)下げ一服後は、値頃感の買い戻しやロングの巻き戻しなどもあり、底固い動きとなった。さらに、低下していた米10年債利回りが2.0068%から2.0275%まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は値を戻す場面もあった。
?
(3)欧州主要株価や米株価先物が堅調な動きとなったこと、米10年債利回りが2.03%台まで上昇幅を拡大したことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。米国市場では、序盤に発表された米個人消費支出は市場予想を下回り、シカゴ購買部協会景気指数は景気の判断基準となる50を下回り、2016年2月以来の低水準まで低下したが、ミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想上回るなど、強弱まちまちの結果となり、マーケットの反応は限定的だった。一方、米中首脳会談を控えて様子見ムードが強まる中、米中首脳会談を前にして、ムニューシン米財務長官と中国副首相が今後の通商交渉について協議したとの報道を受けて株価が上昇となり、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。しかし、米中首脳会談の結果を見極めたいとの思惑も根強く、限定的な動きが続いた。
本日のトピックス
米国の対中関税は先送り、ファーウェイ制裁の一部解除が明らかとなったことに加え、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の電撃的な会談を好感して、ドル円・クロス円は先週末の終値からギャップアップして始まったが、その後ややや上値の重い動きとなっている。政治的な駆け引きの側面もあるとの見方もあり、今後の動向が注目される。
米国市場では、6月ISM製造業景況指数の発表が予定されている。米中の通商問題が影響して、ここまで発表されている6月の製造業関連指標の冴えない結果が続いていることもあり、結果に注目が集まっている。
7/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
6月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
|
51.2 | 52.1 |
前回は、市場予想を下回り、2016年10月以来の低水準となった。新規受注や雇用は前月から上昇したものの、その他が低下となり、米中通商問題が影響していることが要因となった。今回は、低下が予想されており、ここまで地区連銀が発表した6月の製造業指数の悪化が続いていることから、予想以上の低下を予想する向きもある。 |