前営業日トピックス
東京市場では、序盤から小動きの展開となったものの、日経平均株価が上昇して始まったことから、108.47まで上昇する場面もあった。ただ、1ヵ月半ぶりのドル高水準でもあり、実需のドル売り・円買いも観測され、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、日銀の金融政策決定会合の結果発表では、政策の現状維持が発表されたが、日銀が追加緩和措置を実施すると予想をしていた向きの円買い戻しや、投機筋のドル売り・円買いなどを背景に、ドル/円は107.79まで下落した。下げ一服後、ドル円・クロス円は値を戻す動きも見られた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み市場予想より良好な結果となったことが好感され、ドルは序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、108.07まで上昇したものの、中国との貿易協議で合意できなければ、トランプ米大統領は関税を一段引き上げる用意があるとの報道を受けて、ドルが売られ、ドル/円は一時107.84まで下落した。その後は、値頃感の買い戻しもあり、終盤に再び108円台まで上昇した。一方、ユンケル欧州委員長が英国のEU離脱に関して楽観的な見方を示したことから、ポンドは主要通貨に対して上昇した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の堅調な流れが一服し、序盤から小動きの展開となった。日経平均株価が上昇して始まると、ドル/円は108.47まで上昇し、前日のNY市場の高値の面合わせとなった。日経平均株価が前日比一時294円まで上昇したものの、仲値公示にかけて実需のドル売り・円買いも観測されたことや、日銀金融政策決定会合の結果発表を控えた調整も円買いの要因となったとの見方もあった。一方、オーストラリアの失業率も昨年8月以来の高水準に悪化したことや、フルタイムの就業者数が昨年5月以来の減少に転じたことから、豪ドルはドルや円に対して下落した。
(2)日銀は金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定したが、発表直後の反応は限定的だった。ただ、追加緩和措置を実施すると予想をしていた向きの円買い戻しに加え、投機筋のドル売り・円買いなどもあり、ドル/円は107.79まで下落した。下げ一服後、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなり、ドル/円は108円台まで値を戻す場面もあった。
(3)米国市場序盤に発表された米失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数、中古住宅販売件数が軒並み市場予想より良好な結果となったことが好感され、ドルは序盤から堅調な動きとなり、ドル/円は108.07まで上昇した。
(4)中国との貿易協議で合意できなければ、トランプ米大統領は関税を一段引き上げる用意がある、とのサウスチャイナモーニングポストの報道を受けて、ドルが売られた。さらに、ロス商務長官が通商交渉は複雑との見解を示したことで、9/19から開催されている米中次官級協議に対する警戒感も圧迫要因となり、ドル/円は一時107.84まで下落した。その後は、値頃感の買い戻しもあり、終盤に再び108円台まで上昇した。一方、ユンケル欧州委員長が英国のEU離脱に関して、10/31までに合意できると楽観的な見方を示したことを受けてポンド買いとなり、対ドルで7/15以来の高値となる1.2560まで上昇した。また、南アランドは、政策金利の据え置きを発表したことを受けて、南ア・ランドは上昇したものの、南ア中銀が経済の多くの部門が弱体化していることに懸念を表明したことが嫌気され、ランドはドルや円などに対して下落した。
本日のトピックス
先週から続いた欧州、米国、日本、英国などの金融政策発表が終了し、やや材料出尽くし感も出ている。さらに、米国市場では、本日主要な経済指標の発表がないこと、日本市場の3連休を控えていることから、限定的な動きが続くと予想されている。その中で、欧州ではドイツの経済指標の発表が予定されており、ユーロ圏の経済の鈍化懸念が燻っていることから、結果を受けた反応には注目したい。また、英国のEU離脱問題に関しては、楽観的な見方が多く示され、ポンドの上昇が続いているが、ネガティブな発言や報道がある場合には、反動が大きくなる可能性もあり、注意も必要だろう。米国市場では指標発表もなく、来週GDPなどの重要な経済指標の発表や複数の米当局者の発言が予定されていることから、積極的な売買が手控えられる可能性も考えられる。ただ、材料が乏しいことから、株価や米国債利回りの動きに敏感に反応する可能性もあり、他市場の動きにも注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、上昇一服となっており、108円台ではやや上値の重い動きとなっているものの、107円台では底固い動きも見られます。ここから一段の上昇となるのか、一旦調整となるのか注目されます。
目先の動きを見る上で参考にされるオシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小が続いており、先行するラインも失速しています。ここから下向きとなり、両線がクロスするようなら、軟調を示唆する形状となることから注目です。一方、RSIでも80%台から70%台に低下していることから、70%台を割れて目先の軟調な展開を示唆する形状となるのか注目されます。
一旦調整となる場合には、一目均衡表の雲上限ライン(107.183)近辺までの下げも想定されます。一方、上値のポイントは直近高値の108.47を上抜ける場合には109.32を目指す可能性も考えられます。