前営業日トピックス
東京市場では、週明けで新規材料に乏しい中、序盤から小動きの展開となった。月末・期末、五・十日であることから、実需のドル買いも観測され、ドル/円は底固い動きとなった。午後に入り、日経平均株価や中国上海株が下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。海外時間に入り、米国債利回りが反発したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は108円台を回復したものの、その後に発表されたシカゴ購買部協会景気指数が50を下回る結果となったことが嫌気されて107.93まで下落した。ただ、米政権が中国に対し投資制限を検討しているとの報道をナバロ大統領補佐官があらためて否定したことや、米株価の上昇が続いたこともあり、ドル/円は108.18まで上昇した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比178ドル高まで上昇した。引けにかけて上げ幅を縮小し、結局96ドル高で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、59ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場で、トランプ政権が米証券取引所に上場する中国株の廃止を検討しているとの報道を受け、米中対立の激化懸念が高まり、ドル円・クロス円は下落したが、米国財務省が現時点で中国企業の上場を阻止することは考えていないとしていることから、東京市場では材料視されておらず、序盤から小動きの展開となった。日経平均株価が下落して始まったものの、月末、期末の五・十日であることから、駆け込み的な実需のドル買いフローも観測され、仲値公示にかけてドル/円は108.01まで上昇した。
(2)仲値通過後は、新規材料に乏しいこともあり、小動きの展開となった。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、米10年債利回りが1.6887%から1.6715%まで低下したこともあり、ドル円・クロス円軟調な動きとなり、ドル/円は117.75まで下落した。さらに、中国の連休を控えて投資家のポジション調整が出ているとの見方が広がったことも圧迫要因となった。
(3)低下していた米10年債利回りが1.7113%まで急反発となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(4)欧州市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドルは対ユーロで2017年5月以来の高値となったこともあり、対円でも108円台を回復した。その後、9月のシカゴ購買部協会景気指数が2ヵ月ぶりに景気拡大・縮小の判断基準となる50を下回る結果となったことが圧迫要因となり、107.93まで下落した。一方、ドイツのEU基準CPIが3ヵ月連続の悪化となったことが嫌気されてユーロ売りとなり、対ドルでは2017年5月以来の安値、対円でも上値の重い動きとなった。
(5)米政権が中国に対し投資制限を検討しているとの報道をナバロ大統領補佐官があらためて否定したことや、米株価の上昇が続いたこともあり、ドル/円は108.18まで上昇した。ただ、前週末の高値と面合わせとなったが、抜けきれなかったこともあり、引けにかけてはやや上値の重い動きとなったが、108円台は維持された。
本日のトピックス
本日から来週7日まで中国の国慶節であり、香港で大規模なデモが行われる可能性が指摘されている。リスク回避の動きにつながる事態になれば株価や為替市場への影響も考えられることから、報道などには注目したい。一方、米国の中国に対する投資制限を検討しているとの報道が改めて否定されたことから、ドルは底固い動きが続いているが、前週末の高値の108.18を上抜ける動きとなるのかが注目されている。上抜けとなる場合には、一段の上昇も予想されるが、朝方発表された2019年度大企業・製造業の想定為替レートが1ドル=108.68 (6月時点109.35)なったことから、108円台中盤近辺では上値の重い動きとなる可能性もあるだろう。
欧州市場では、ドイツやユーロ圏の製造業PMI(確報値)の発表が予定されており、速報値の発表では軒並み悪化したことでユーロの下落につながったことから、さらに下方修正されるのかどうか結果に注目したい。一方、米国市場では、ISM製造業景況指数の発表が予定されており、前回2016年1月以来の低水準に落ち込み、3年8ヵ月ぶりに景気拡大・後退の判断基準となる50を下回った。この結果を受けて、ドル/円も大きく下落した。今回は、50を回復するのか注目されている。
10/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。 50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。 |
50.1 | 49.1 |
前回は市場予想を下回り、2016年8月以来の低水準に落ち込み、3年8ヵ月ぶりに景気拡大・後退の判断基準となる50を下回った。生産、新規受注、雇用がいずれも50を下回ったことで全体が引き下げられた。今回は、50への改善が予想されているが、2ヵ月連続の50割れとなる場合には、一時的ではなく製造業の鈍化が意識される可能性もあり、結果が注目される。 |