前営業日トピックス
東京市場では、序盤にトランプ米大統領が香港人権・民主主義法案に署名したとの報道を受けて、米中の対立激化懸念を背景にドル円・クロス円は軟調な動きとなった。下げ一服後は底固い動きとなり、本邦企業によるドル買い・円売りも観測され、ドル/円は底固い動きとなった。しかし、中国が改めて報復を警告したことや、午後に入り日経平均株価が軟調となったこともあり、上値の重い動きが続いた。また、米感謝祭の休場で海外の市場参加者が少ないことも影響した。
米国では、Thanksgiving Dayの祝日で米主要市場が休場となったことで、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。その中で、英国総選挙の世論調査で、与党保守党が359議席、労働党が211議席獲得するとの結果が発表され、保守党が過半数(定数650)を上回る結果となったことを受けて、ポンドが主要通貨に対して上昇した。ポンド/円は141.86まで上昇し、5/14以来の高値を付けた。その後、米大統領が香港人権法案に署名とホワイトハウスが発表したことを受けて、米中対立への警戒感が改めて強まり、ドル円・クロス円は下落した。
(2)下げ一服後は、底固い動きとなったものの、中国政府が断固とした報復措置を取ると表明したこともあり、上値の重い動きとなった。さらに、マイナス圏から持ち直していた日経平均株価が午後に再びマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)欧州時間では、海外勢の円売りの動きもあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ポンドは英総選挙に絡む思惑が交錯してドルや円に対して上値の重い動きとなった。米国ではThanksgiving Dayの祝日で米主要市場が休場となったことで、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きとなった。特に、米大統領などからの発言や報道がなかったことから、ドル/円は上下7銭の範囲内の動きにとどまった。
本日のトピックス
前日の東京市場における米大統領の香港人権法案の署名、それに対する中国側の報復示唆にマーケットが反応した。ただ、米中交渉の牽制の範囲にとどまり、対立がさらに激化に向かうとの見方は少ないことから、ドル/円なども比較高値圏で推移している。その中で、最高値更新が続く米株式市場の休場明けの動きに注目したい。米国市場は本日短縮取引となっており、連休を取るケースも多いことから、引き続き市場参加者も少なく、限定的な動きが予想されている。一方、欧州時間にはドイツやフランス、ユーロ圏の経済指標の発表が予定されており、こちらの結果にも注目したい。
2018年の感謝祭までの約1ヵ月間の値幅は1.90円幅、感謝祭後から年末までの値幅は4.48円となっていた。今年は感謝祭までの約1ヵ月間の値幅は1.60円幅である。比較的年末にかけて動きが出るケースも多いことから、昨年同様に動きが出るのか注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円の週足では、重要なレジスタンスである109.32を完全に上抜けています。そして、現時点では先行スパン1と先行スパン2が交差(雲のねじれ)しており、チャート分析においては、ここから流れが加速する、または転換する可能性が高まるポイントと見られており、ここからの動きが注目されています。
上側には、一目均衡表の雲が位置しており、ここを上抜ければ一段の上昇の期待感が高まります。特に、基準線と転換線がクロスしている、遅行スパンが価格帯を上抜けていることから、雲の上抜けが加われば、一目均衡表上では三役好転の強気シグナルとなります。ただ、ここで上抜けずに雲下限ラインに沿って失速する場合には、再び軟調となる可能性も考えられます。
一方、オシレーターのMACDでは、両線上向き継続中で、先行するラインがゼロポイントを上抜けており、遅行するラインもゼロポイントを上抜けて継続シグナルとなるのか、前回のようにゼロポイント近辺で失速するのか注目されます。