前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れを受けて、序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が200円以上の上昇となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。前日のトランプ大統領の発言で米中通商協議の第1段階の合意に対する期待感もあり、全般的に底固い動きが続いた。ただ、豪州の経済指標の悪化を背景に、豪ドルは下落する場面もあった。欧州時間には、欧州勢の円売りなどもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は109.00まで上昇した。
米国市場では、序盤に発表された米貿易収支や新規失業保険申請件数が改善したことを受けて、ドルは堅調な動きとなり、ドル/円は一時108.92まで上昇した。しかし、ペロシ米下院議長がトランプ大統領の弾劾訴追状を起草すると発表したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、トランプ米大統領が中国との交渉は順調と発言したことを受けて株価がプラス圏まで反発したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価がオープン直後に前日比95ドル高まで上昇したが、その後は86ドル安まで下落した。終盤には米大統領の発言などもあり、プラス圏まで値を戻し、28ドル高で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは4ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。さらに、日経平均株価が堅調な展開で始まり、前日比220円超の上昇となったことや、実需のドル買い・円売りフローも観測され、仲値公示にかけてドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、オーストラリアの貿易収支、小売売上高が市場予想を下回ったことが嫌気され、豪ドルは軟調な動きとなり、豪ドル/円は74.63から74.36まで下落した。
(2)マーケットでは、米中通商問題に関するヘッドラインや、米雇用統計待ちとなっており、全般的に小動きの展開が続いた。その後、中国商務省の報道官が、米中は貿易を巡り緊密な意思疎通を行っていると発言したことで買いが入ったものの、目新しさに欠けることから、反応は限定的だった。欧州時間に入り、米国債利回りの上昇や欧州主要株価指数が底固い動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は109.00まで上昇した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米貿易収支や新規失業保険申請件数が市場予想より改善したことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。ドル/円は一時108.92まで上昇したものの、欧州時間に付けた109.00までは到達できなかった。一方、英総選挙で与党保守党の優勢が続いており、保守党が勝利すれば合意なきEUからの離脱が回避されるとの見方を背景にポンドは堅調な動きが続いており、対円で5/8以来、対ドルで5/6以来の高値を付けた。その後、ペロシ米下院議長がトランプ大統領の弾劾訴追状を起草すると発表したことが嫌気され、米主要株価が軒並み下落となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)下げ一服後、トランプ米大統領が中国との交渉は順調とし、12/15の対中制裁関税発動について様子を見守る必要があるとの考えを示したことを受けて、株価がプラス圏まで反発したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、米中通商協議で中国の農産物購入規模に関して対立が続いているとの報道で一時下振れする場面もあった。
本日のトピックス
米中通商協議に関しては、楽観と悲観が入り混じる展開が続いており、結論が確定するまでは方向性が出にくいだろう。ただ、マーケットも慣れてきており、関連する報道や要人発言にも反応が小さくなっている。
本日は、欧州市場では、ドイツの鉱工業生産の発表が予定されているが、昨日発表されたドイツの製造業受注が予想外のマイナスとなったことで、鉱工業生産も悪化するようならドイツのGDPへの影響も懸念されることから、結果が注目されている。さらに、フランスでは労組がストライキを実施しており、来週12/9まで延長との報道もあり、動向がユーロの圧迫要因となる可能性もある。
米国市場では、米雇用統計の発表が予定されており、先に発表されたADP雇用統計が市場予想を大きく下回る結果となったことから、本日発表の雇用者数の伸びへの影響も懸念されている。さらに、製造業指標の雇用指数の低下が続いており、今回は前回のマイナスからの改善が予想されているものの、一部では懸念も高まっている。
12/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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18.5万人 | 12.8万人 |
前回は市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続の低下となり、今年5月以来の低い伸びとなった。ただ、比較的安定的な伸びが続いているとの見方もあり、発表時ドルは底固い動きが続いた。今回は、前回を上回る伸びが予想されているものの、民間の雇用統計が予想を下回ったこともあり、予想通り堅調な結果となるのか注目されている。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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97.0 | 96.8 |
前回は市場予想を上回り、3ヵ月連続の上昇となり、夏場の低下からの改善傾向が示された。現在の景況感の上昇や、先行きの景況感が4ヵ月連続の上昇となったことが影響した。今回も前回からの上昇が予想されており、予想通りなら7月以来の高水準となる。また、上昇が続く先行きの景況感が上昇を維持するのかにも注目したい。 |