前営業日トピックス
祝日で日本主要市場が休場となり新規材料に乏しい中、アジア市場でのドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。ただ、欧州時間にはユーロ圏の主要株価指数が軒並み大幅下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で景気の先行き懸念が強まったとの見方から欧州の主要株価指数が下落となったことが影響し、米主要株価指数も軒並み大幅に下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は一時110.33まで下落した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から大きく下落し、一時前週末比1079ドル安まで下落した。終盤まで安値圏での動きが続き1031ドル安で終了、昨年12/12以来の安値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは355ポイント安となり、1/31以来の安値で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が祝日で主要市場が休場だったことから、アジア市場では新規材料に乏しくドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。しかし、欧州時間に入ると、欧州の主要株価指数が軒並み大幅下落となったこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、景気の先行き懸念が強まったとの見方が広がり、欧米の主要株価指数が大幅下落となるなど投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。さらに、米大手金融が1-3月の米GDP成長率の見通しを1.2%(従来1.4%)に下方修正したとの報道も米株価やドルの圧迫要因となった。ドル/円は、2/20に付けた昨年4/25以来の高値となった112.23から、2/21 の米サービス業PMIが大きく下振れたことを受けて111.48まで下落した流れに続き、110.33まで下落した。一方、米10年債利回りは欧州時間の1.430%から1.357%まで低下し、2016年7月以来の低水準となった。また、投資家の不安心理の大きさを示すVIX指数(恐怖指数)は、終値ベースで2019年1月以来の25ポイント台まで上昇、不安が強まっている節目とされる20を上回った。
(3)下げ一服後は、米主要株価指数がやや下げ幅を縮小したこともあり、引けにかけては値を戻した。
本日のトピックス
3連休明けの東京市場では、前日の欧米の主要株価指数の大幅下落の影響で、日経平均株価が序盤に1000円超の下落となったが、円買いは進んでいない。株安やドル円・クロス円の下落の要因は新型コロナウイルスの感染拡大であるが、これに関しては日本でも感染が拡大するなど、逃避先として選択し難い状況でもある。そのため、日米欧の主要株価指数の大幅下落や米国債利回りの低下でも、それほど円高が進んでいない。ただ、ユーロ圏や米国も景気の先行き不安もあり、ユーロやドルも積極的に買い難い状況である。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く場合には、世界的な景気減速が意識され、株価は軟調な動きが続く可能性も考えられるが、その場合でもリスク回避先として円は買い難いと見られ、ドル円・クロス円は底固い動きが続く可能性も考えられる。一方、感染拡大のペースが減速する場合にも敏感に反応する可能性もあり、神経質な展開が続くだろう。
2/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
2月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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132.5 | 131.6 |
前回は市場予想を上回り、3ヵ月連続の上昇となり、昨年8月以来の高水準となった。労働市場に楽観的な見方が広がったことや、現況指数、期待指数がともに昨年8月以来の高水準となったことが押し上げ要因となった。今回は、若干の上昇が予想されており、新型コロナウイルスに対する懸念があるものの、米経済指標の改善が続いたことで、消費者の楽観的な見方が強まっている可能性も考えられる。 | ||||
0:00 | 米国 |
2月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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10 | 20 |
前回は市場予想に反して大幅上昇となり、2018年9月以来の高水準となった。出荷と新規受注が回復したことが押し上げ要因となり、製造業の改善の兆しが示された。今回は、前回からの低下が予想されているが、先に発表されたNY連銀指数が予想を大きく上回り、フィラデルフィア連銀指数も低下予想を覆し大幅上昇となったことから、当該指標も楽観的な見方が出ている。 |