前営業日トピックス
前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大したものの、反応は限定的となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。欧州市場では、欧州主要株価指数が上昇して始まったものの、ユーロなどは対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。
米国市場では、米国の経済活動再開への期待が高まったことから、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、安全資産とされるドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は107.30まで下落した。その後、米主要株価指数が終盤にかけて上げ幅を拡大したことからドル円・クロス円は底固い動きが続き、さらに米国債利回り上昇に転じたことも加わり、ドル/円は107.66まで上昇した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比726ドル高まで上昇した。引けにかけて高値圏を維持して704ドル高で終了、3/10以来約5週間ぶりの高値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは117ポイント高で終了、3/5以来の高値となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ニューヨーク州で新型コロナウイルスによる死者と入院者数が減少したことや、米欧での外出規制などが近く緩和されるとの期待感を背景に、リスク回避の動きが後退した海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。ドル/円は、一時前日比108.08まで上昇し、前日の海外市場の高値と同値となったものの、上抜けとはならなかった。その後、日経平均株価は序盤から堅調な動きとなり、一時前日比602円高まで上昇したものの、マーケットの反応は限定的だった。
(2)中国国家統計局が発表した第1四半期のGDPが予想以上の悪化となったが、マーケットの反応は限定的だった。日経平均株価が前日比600円超の上昇で終了したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、欧州主要株価指数が軒並み大幅上昇となったものの、ユーロやポンドがドルに対して下落したことから、円に対しても軟調な動きとなった。
(3)米国の経済活動再開への期待感や、新型コロナウイルスの治療薬の臨床試験で、感染者が急速に回復しているとの一部報道も好感されて、リスク回避の動きが和らぎ、安全資産とされるドルが主要通貨に対して軟調となった。さらに、米10年債利回りが0.655%から0.586%まで低下したことも加わり、ドル/円は107.30まで下落した。
(4)米主要株価指数が終盤にかけて上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続き、さらにFRBが来週から債券買い入れ額を減額すると発表したことを受けて米国債が売られ、米10年債利回りが0.657%まで上昇したことも加わり、ドル/円は107.66まで上昇した。
本日のトピックス
このところのマーケットで米国の経済指標が軒並み大幅な悪化となる中でも、リスク回避の動きが強まる場面では、安全資産としてドルの需給迫懸念からドルが買われる傾向となっており、欧州通貨や新興国通貨に対してドルは堅調な動きとなりやすい。ただ、先週末には新型コロナウイルスによる死者と入院者数が減少したことや、米国の経済活動再開への期待感が高まったことを受けてリスク回避の動きが和らぎ、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
本日は、米国の経済指標の発表もないことから、新型コロナウイルス感染拡大に関する報道や、マーケットが注目している経済活動の再開が実施(感染拡大が失速している地域から)されるのか注目される。その一方で、今週からFRBが債券買い入れ額を減額すると発表していることから、米国債利回りの動きなどにも注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、サポート・ポイントとなる前回安値の106.921近辺で底固い動きとなり、一旦値を戻しています。ただ、一目均衡表の転換線近辺で上値が抑えられる動きが続いており、ここを上抜けて一段の上昇となるのかどうかが注目されています。その中で、相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、23日まで上昇が続く(その後は横ばいが続くものの、来週には下落に転じる)ことから、今週一段の上昇となるのかどうかが注目されています。
上値のポイントは、転換線の108.012(21日107.996、22日107.756、23日107.714と低下)、さらに、直近高値の108.083(先週末は108.082で上抜けなかった)がポイントとなります。
下値のポイントは、106.929から連日下値が切り上がっていることから、前日安値の107.30がポイントとなり、そこを下抜ける場合には、知億近安値の106.292、雲上限ラインの106.720がポイントと考えられます。