前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比283円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円も序盤から堅調な動きとなった。午後に入ると、日経平均株価が上げ幅を縮小したことを受け、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ドルは対ユーロで上値の重い動きが続いたこともあり、対円でも序盤の高値107.86から107.38まで下落した。しかし、欧州時間にはドル買い・ユーロ売りの動きが見られ、ドル/円も堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の堅調な動きが一服し、ドル/円は上値の重い動きとなった。米主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったものの、その後プラス圏まで反発したこともあり、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなり、対ポンドでは5/1以来、対豪ドルで1/27以来の安値となった。また、対円でも上値の重い動きとなったものの、上下23銭程度の狭いレンジ内の動きだった。一方で、豪ドル円は2/25以来の高値を更新した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前週末比162ドル安まで下落した。その後は上昇に転じ、91ドル高(+0.36%)で終了した。一方で、ハイテク株中心のナスダックは62ポイント高(+0.66%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、米国で黒人男性が白人警察官に首を圧迫され死亡した事件に対する抗議活動が暴動となり、全米に広がるとの懸念を背景に、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなったが、その後、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことが下支え要因となった。ドル/円は、107.86まで上昇したものの、先週末の海外市場の高値107.89を超えられずに失速した。
(2)日経平均株価が前週末比283円高まで上げ幅を拡大するなど、アジア株全般が上昇したことによる投資家のリスク志向の動きから、ドルが主要通貨に対して軟調な動きとなり、対円でも107.38まで下げる動きとなった。一方、目立った材料がないものの、ポンドはドルや円に対して堅調な動きとなり、対円では序盤の132.78から133.67まで上昇した。また、ユーロは対ドルで3/17以来、対円で3/30以来の高値となり、5営業日連続での高値更新となった。
(3)欧州時間では、ユーロが対ドルで1.1154から1.1100まで下落するなど、欧州通貨や資源国通貨がドルに対して軟調な動きとなったことから、ドルは対円でも堅調な動きとなり、107.76まで上昇した。
(4)米国市場では、欧州市場の堅調な動きが一服し、ドル/円は序盤から上値の重い動きとなった。米黒人男性の暴行死事件を巡る抗議デモが拡大していることや、米中対立の激化懸念を背景に米主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったものの、その後プラス圏まで反発したこともあり、ドルが欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなり、対ポンドでは5/1以来、対豪ドルでは1/27以来の安値となった。資源国通貨は対円でも上昇し、豪ドル/円は2/25以来の高値、カナダドル/円も3/6以来の高値を付けた。一方、米国が香港に対する優遇措置を撤廃する方針を示したことに対して、中国政府が米国から大豆や豚肉の輸入停止を指示したとの報道を受けて、米中対立懸念が意識されたこともあり、逃避先通貨とされるドルの下値は限定的だった。ドル/円は、上下23銭程度の狭いレンジ内の動きだった。
本日のトピックス
本日は、午後に豪中銀の金融政策発表が予定されており、政策金利は過去最低の0.25%での据え置きが確実視されている。むしろ、豪州経済の先行き見通しを豪中銀がどう見ているのかが注目されている。
欧米市場では、主要な経済指標の発表がないことから、手掛かり材料に乏しいものの、独政府が800億ユーロ規模の経済対策を検討しているとの報道や、航空大手の救済案で欧州委員会と暫定合意したことが材料視され、ユーロの上昇が続いている。ユーロは、ドルや円に対して、ここまで5営業日連続で高値を更新しており、豪ドルなどの資源国通貨もドルや円に対して堅調な動きが続いている。マーケットでは、一旦調整の動きを警戒する見方もあるため、動きが注目される。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、108円台近辺では上値の重い動きとなっており、107円台前半では底固い動きとなるなど、狭いレンジ内の動きが続いています。現在は、一目均衡表の雲の中での展開が続いており、ここから上下どちら側に抜けるのか注目されています。
オシレーターのMACDでは、両線がゼロポイント近辺で乖離幅を縮小しており、クロスする場合には目先の軟調な動きを示唆する形状となることから注目です。
上値は108円台に乗せるかどうかがポイントとなっており、雲上限ライン(本日は108.228、6/3は108.118、6/4は108.008、6/5は107.598)もポイントと見られています。一方、下値のポイントは、一目均衡表基準線の107.038(6/5まで同値)、次いで雲下限ラインの106.720(6/5まで同値)と考えられます。
気まぐれ投資コラム
ユーロの買い越し増加中
CFTC(米商品先物取引委員会)が発表したIMM通貨先物の投機部門の取組(5/26までの週)は、ドルが主要6通貨に対する売り越し額は86億ドル(前週76.6億ドル)と増加しました。特に、ユーロは75222枚の買い越しとなり、前週から2660枚の増加。一方、ニュージーランドドル、ブラジルレアル、メキシコペソ、ロシアルーブルを含めたドルの売り越し額も78.2億ドル(前週65.8億ドル)と増加しています。
※出所:データを基にSBILMが作成
※出所:データを基にSBILMが作成