前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価がプラス圏まで反発したことや、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、米国債利回りが低下したことからドルは上値の重い動きとなったが、日経平均が上げ幅を拡大したことや、米株価先物が上昇したこともあり、クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間序盤には、ECB当局者の発言を受けてユーロ売りが優勢となり、さらに欧州主要株価指数が軟調な動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米8月の消費者物価指数が市場予想を上回る結果となったこともあり、ドルは主要通貨に対して上昇した。その後、米国債利回りが低下したことが影響し、ドル/円は106.06まで下落した。一方、欧州時間から軟調な動きとなったユーロは米国市場でもドルや円に対して軟調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きが続き、前日比294ドル高まで上昇した。その後は下げに転じ、一時86ドル安まで下落したものの、終盤には再び堅調な動きとなり、131ドル高(+0.48%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、66ポイント安(-0.60%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が120円超下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、その後プラス圏に反発し、上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売り買いが観測されたこともあり、ドル/円は106.21まで上昇したものの、海外市場で付けた106.23には届かなかった。
(2)仲値通過後はドル買いも一服し、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、米10年債利回りが低下したことも影響した。ただ、日経平均株価が終盤に上げ幅を拡大し、170円超上昇となったことや、米株価先物の上昇も加わり、クロス円は底固い動きが続いた。その後、米国債利回りが上昇に転じたこともあり、ドル/円は106.26まで上昇した。
(3)ECBのチーフエコノミストのレーン専務理事が欧州経済の回復鈍化や低インフレに警戒感を示すと同時に、ユーロの上昇がインフレ見通しを弱めるとしてユーロ高を牽制したことことが影響し、ユーロは軟調な動きとなった。さらに、欧州主要株価指数が軟調な動きとなったことも影響し、ドル/円やその他のクロス円も上値の重い動きとなった。
(4)米国市場では、序盤に発表された米8月の消費者物価指数が市場予想を上回る結果となったことから、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は一時106.22まで上昇したものの、アジア時間に付けた106.26には届かなかった。その後、米長期債の指標となる米10年債利回りが0.693%から0.662%まで低下したことから、ドル/円は106.06まで下落した。ただ、週末で新規材料に乏しい中で、値動きは限定的だった。ユーロ/円は、欧州時間に付けた高値の126.12から軟調な動きが続いており、終盤に125.49まで下落した。
本日のトピックス
今週は、FOMC(15-16日)や日銀の金融政策発表(16-17日)など主要国の金融政策発表を控えており、方向感の出にくい展開が予想されている。その中で、週明けの米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、限定的な動きが予想されている。ただ、このところの米株式市場では値動きが比較的大きくなることもあることから、株式市場の動きには注目したい。