前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まった。日経平均株価が下落して始まったことも影響したが、仲値公示にかけて五・十日の実需のドル買いも観測されて、ドルは底固い動きとなった。一方、ポンド/円は一段の下落となり、7/28以来の安値を付けた。その中で、豪中銀議事要旨で通貨高に対する警戒感が示されなかったことが好感され、豪ドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、中国の経済指標が良好な結果となったことも加わり、欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。FOMCでハト派的な見方が示され、金融緩和策の長期化が表明されるとの見方を背景に、ドルは上値の重い動きとなった。なお、序盤に発表された9月のNY連銀製造業景気指数、8月の鉱工業生産がまちまちの結果となったこともあり、マーケットの反応は限定的だった。一方、上昇して始まった米主要株価指数が上げ幅を縮小したことも圧迫要因となった。ドル/円は、一時105.30まで下落し、8/31以来の安値を更新した。一方、ユーロは対ドルで上値の重い動きとなり、対円でも1週間ぶりの安値となった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比237ドル高まで上昇した。その後は上げ幅を縮小し、終盤には一時61ドル安まで下落した。しかし、引けにかけては値を戻し、2.27ドル高(+0.01%)の27995.60で終了し、3営業日続伸となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは133.67ポイント高(+1.21%)の11190.32で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が下落して始まり、一時200円超下落したことも影響した。ドル/円は、一時105.61まで下落したものの、前日の海外市場で付けた約2週間ぶりの安値の105.55が意識され、底固い動きとなった。そして、豪中銀議事要旨では、通貨高に対する警戒感が示されなかったことが好感され、豪ドルは主要通貨に対して上昇した。一方、ポンド/円は一時135.42まで下落し、7/28以来の安値を更新した。
(2)中国の経済指標が良好な結果となったことが好感され、さらに日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米株価先物が上昇したこともあり、投資家のリスク選好の動きから欧州通貨や資源国通貨がドルや円に対して上昇した。ドルは、FOMCを控えて様子見ムードもあり、対円で上値の重い動きが続いた。欧州時間序盤には、ドイツやユーロ圏の経済指標が良好な結果となったことや、マイナス圏まで低下した欧州主要株価指数が反発したこともあり、安全資産とされる円が売られた。
(3)FOMCで引き続きハト派的な見方が示され、金融緩和策の長期化が表明されるとの見方を背景に、ドルは上値の重い動きとなった。一方、欧州時間まで対ドルで堅調な動きが続いていたユーロは、利益確定の動きなどから上値の重い動きとなり、対円でも上値の重い動きとなった。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。序盤に発表された9月のニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回る結果となったものの、その後に発表された8月の鉱工業生産が予想を下回るなど、まちまちの結果となり、マーケットの反応は限定的だった。一方、米金融緩和の長期化期待を背景に、上昇して始まった米主要株価指数が上げ幅を縮小したことも、ドル円・クロス円の圧迫要因となった。ドル/円は、一時105.30まで下落し、8/31以来の安値を更新した。一方、ユーロ/円も124.76まで下落し、1週間ぶりの安値となった。
(4)下げ一服後は値を戻したものの、終盤にダウ平均株価がマイナス圏まで下落したことなども影響し、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場の流れを受けて、東京市場のドル円・クロス円は軟調な動きとなっており、一部では一段の下げを予想する向きも多くなっている。さらに、FOMCの結果発表を控えて積極的な動きが出にくいとの見方もあることから、値動きを見極めたい。
米国市場では、FOMCの結果発表が予定されている。マーケットでは、FRBのハト派的な見方が引き続き示され、金融緩和策の長期を表明すると予想されている。さらに、メンバーの経済予測も発表されることから、前回予想からどのように変化しているのか注目されている。また、今回のパウエルFRB議長の定例会見は、大統領選前の最後の会見となることから、今後の金融政策、経済の先行き見通しなどの発言にも注目が集まっている。