前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が堅調な動きとなったことや、五・十日の実需のドル買いも観測され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時105.54まで上昇した。しかし、仲値通過後は週末のポジション調整の動きもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州市場では、主要株価指数が序盤から下落し、下げ幅を拡大したこともあり、ドルや円が買われた。
米国市場では、欧米の米主要株価指数の下落や資源価格の下落を背景に、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドルは対円でも堅調な動きとなり、一時105.70まで上昇し、9/15以来の高値を更新した。しかし、米景気の回復が遅れるとの懸念や、米国の追加経済対策を巡る不透明感などがドルの圧迫要因となり、その後は上値の重い動きとなった。一方、米主要株価指数が上昇に転じ、上げ幅を拡大したこともあり、クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、前日比180ドル安まで下落した。その後は堅調な動きとなり、終盤には一時423ドル高まで上昇、引けにかけて上げ幅を縮小したものの、358.52ドル高(+1.34%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、241.29ポイント高(+2.26%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比184円高まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、五・十日であることから仲値公示にかけて実需のドル買いも観測され、ドル/円は前日の海外市場で付けた高値の105.53を上回る105.54まで上昇した。
(2)仲値通過後は、ドル買いが一服となったことや、午後に入り日経平均株価が一段の下げとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。さらに、米国で追加経済対策を巡る協議や、最高裁判事の後任を巡る混乱などもがドルの圧迫要因となっているとの指摘もあった。
(3)欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大を背景に、欧州主要株価指数が下落したことを受けて、投資家のリスク回避の動きからドルや円が買われた。米国市場では、さらに、金や原油などの資源価格の下落を背景に資源国通貨が対ドルで下落したことも加わり、ドルは対円でも堅調な動きとなり、ドル/円はアジア時間で付けた105.54を上抜けて、105.70まで上昇し、9/15以来の高値を更新した。一方、ユーロは対ドルで1.1613まで下落し、7/24以来約2ヵ月ぶりの安値となった。
(4)新型コロナウイルスの影響で停滞した米景気の回復が遅れるとの懸念や、米国の追加経済対策を巡る不透明感などがドルの圧迫要因となり、その後は主要通貨に対して上値の重い動きとなった。一方、下落して始まった米主要株価指数が上昇に転じ、上げ幅を拡大したこともあり、クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
本日は、欧州や米国の主要な経済指標の発表がないことから、やや限定的な動きも予想される。ただ、ユーロ圏で新型コロナウイルスの感染者数が再拡大していることや、30日のユーロ圏CPIで2ヵ月連続マイナスになるとの懸念がユーロの圧迫要因となっており、また豪当局者の通貨安容認発言など、先週の材料が引き続き意識される可能性も考えられる。一方、米国の景気回復の遅れや、追加の経済対策の不透明感がドルの圧迫要因となっているが、第1回目の米大統領候補者の討論会が明日に控えていることから、討論会の結果を見極めたいとの様子見ムードが広がる可能性もあり、ドルは積極的な売買が手控えられる可能性も考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/円は、日足一目均衡表の雲を下抜けているものの、雲下限ライン近辺でもみ合うの動きが続いています。ここから一段の下げとなるのか、一旦雲の中に値を戻すのか注目されます。
相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、現在124.794で横ばいが続いていますが、来週の6日までは横ばいが続きます。ただ、122.518を下回る場合には、現状の横ばいから低下することになり、一段の下げとなる可能性も考えられることから、目先の下値のポイントは122.518と考えられます。
一方、上値のポイントは一目均衡表の雲下限ラインの123.031となり、先週もここを上抜ける場面があるものの、終値ベースでの上抜けとなっていないことから、終値ベースでの上抜けとなるのかどうかか注目されます。さらに、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小傾向であることから、さらに乖離幅の縮小が続き、クロスするようなら一旦の上昇となる可能性も考えられます。
週足ベースでは、MACDで両線がクロスしており、中長期的に下向きを示唆する形状となっていることから、日足ベースで戻りが見られる場合でも、戻りは一時的となる可能性も考えられることから、週足のチャート形状にも注目です。