前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の株高を背景に、日経平均株価が序盤から大きく上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、一時前日比540円超上昇した日経平均株価が92円高まで上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。欧州時間には、欧州主要株価指数が上昇して始まったことや米長期金利が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は値を戻した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が強弱まちまちの結果だったことから、マーケットの反応は限定的だった。その中で、米国債利回りが低下したことから、ドル/円は一時104.26まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。その後は、米感謝祭を翌日に控えて積極的な売買が手控えられたこともあり、ドルは小動きの展開が続いた。
米株式市場では、前日まで主要株価指数が上昇していたことや、米感謝祭を控えていることもあり、利益確定の動きが先行した。さらに、新規失業保険申請件数が2週連続の増加となったことも加わり、ダウ平均株価は一時前日比239ドル安まで下落するなど、主要株価指数は上値の重い動きとなった。その後も上値の重い動きが続き、ダウ平均株価は173.77ドル安(-0.58%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、終盤にかけて堅調な動きとなり、57.62ポイント高(+0.48%)で終了、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、クロス円は序盤から堅調な動きとなった。一方、ドル/円は海外市場での上値の重い動きが一服し、底固い展開で始まった。海外の株高を背景に、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比540円超の上昇となったことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、月末の五・十日にあたり、実需のドル買いも観測され、ドル/円は一時104.60まで上昇した。
(2)午後に入り、新規材料に乏しい中で、東京都が酒類提供の飲食店などに営業の時短を要請するとの報道を受けて、株価が終盤に上げ幅を縮小し、日経平均株価は一時92円高まで上げ幅を縮小する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)欧州主要株価指数が堅調な展開で始まったことや、円買いの動きが一服したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。一方、ジョンソン英首相が、移行期間の延長を否定したとの報道を受けてポンド売りが強まり、ポンド/円は139.76から139.01まで下落した。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から上値の重い動きで始まった。序盤に発表された第3四半期GDP改定値は速報値から横ばいだったものの、耐久財受注は予想を上回る結果となった。しかし、新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、2週連続で増加したことが嫌気され、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は一時104.26まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。
(4)FOMCの議事要旨が公表されたが、米感謝祭を翌日に控えて全般的に積極的な売買も手控えられており、反応は限定的だった。対ドルで堅調な動きが続いたこともあり、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
米国市場は、本日Thanks giving Day(感謝祭)の祝日で主要市場が休場となることから、アジアや欧州市場でも積極的な売買が手控えられることも予想されており、限定的な動きが見込まれている。ただ、米国市場の休場を控えた駆け込み的なポジション調整の動きも一部では警戒されている。さらに、金曜日はブラックフライデーであり、祝日ではないものの多くの人が休みとなる。特に、クリスマス商戦の始まりと位置付けられており、個人消費の拡大が期待される時期でもある。ただ、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、旅行や帰省など移動が自粛される可能性もあり、個人消費も落ち込むとの見方もある。なお、27日の米国市場では、株式市場や債券市場、商品市場が短縮取引となる。