前営業日トピックス
東京市場では、ドル/円が前週末の海外市場の終値からギャップアップして始まったものの、ユーロやポンドなどの欧州通貨、豪ドルなどの資源国通貨は対ドルでギャップダウンして始まり、対円でも序盤から軟調な動きとなった。さらに、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、前週末比200円超下落したことも加わり、軟調な動きが続いた。ドル/円は、上昇一服後は下落したものの、値頃感の買い戻しも観測され、底固い動きとなった。その後の欧州時間では、英国で新型コロナウイルスの変異種の感染が拡大していることを背景に、経済への影響も懸念され、投資家のリスク回避の動きが強まったことからポンド、ユーロなどの欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して軟調な動きとなった。ドルは、欧州通貨や資源国通貨に対して上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、投資家のリスク回避の動きが強まった流れが一服、ドルと円が序盤から軟調な動きとなった。さらに、ダウ平均株価が序盤に前週末比400ドル超まで下落したものの、その後下げ幅を縮小する動きとなったことも、クロス円の押し上げに寄与した一方ドルが対主要通貨で下落した。ドル/円は、欧州時間に103.89まで上昇したものの、米国市場では軟調な動きが続き、終盤に103.30まで下落した。
米株式市場では、欧州主要株価指数が大幅下落したことを受けて、米主要株価指数も序盤から軟調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤に一時前週末比423ドル安まで下落したものの、米追加経済対策の与野党協議合意に加え、18日にFRBが米大手銀行の自社株買いを容認したことで、自社株買い再開への期待から金融大手株が上昇したことも下支え要因となった。ダウ平均株価は、終盤にプラス圏まで上昇し、37.40ドル高(+0.12%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、プラス圏までは値を戻せず13.12ポイント安(-0.10%)で終了した。
米ドル/円
本日のトピックス
昨日の欧州市場では、英国で新型コロナウイルスの変異種の感染が拡大していることを背景に、欧州主要株価が大幅下落となるなど、一時投資家のリスク回避の動きが強まった。変異種は感染力が強いとされることから、欧州各国が英国からの入国制限措置を発表したことも影響した。感染の状況など、引き続き関連する報道などには注目したい。場合によっては、経済への影響が懸念される可能性も考えられ、主要株価指数の動きも注目されている。
米国市場では、第3四半期のGDPや12月消費者信頼感指数、11月中古住宅販売件数の発表が予定されている。GDPの確報値は、改定値と変わらず予想であることから予想外の結果とならなければ反応は限定的と見られている。一方、中古住宅販売件数は住宅市場の堅調さが維持されるのか、また消費者信頼感指数は消費者の見通しが改善しているのかが注目されている。ただ、GDPと同様に予想の範囲内の結果なら、マーケットの反応は限定的だろう。
12/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
3Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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33.1% | 33.1% |
前回の改定値では、GDPの約7割を占める個人消費が速報値から小幅下方修正されたものの、GDPは変わらずとなった。今回の確報値も変わらず予想だが、マーケットの注目は第4四半期の結果に移っていることもあり、予想外の修正がなければ、反応は限定的と予想されている。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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670万件 | 685万件 |
前回は予想以上の増加となり、2005年以来の高水準となった。依然として過去最低水準の住宅ローン金利や、郊外の物件の需要が高いこと、さらに在庫率が過去最低となっていることも影響した。今回は、前回から若干の減少が予想されているが、依然として好調さは維持されると見られている。さらに、前回過去最低となった在庫率が回復しているのかも注目される。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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97.0 | 96.1 |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月ぶりの低水準となった。新型コロナウイルスの感染再拡大の影響で、景気や労働市場の先行き見通しが悪化したことが影響した。現況指数は0.3ポイントの低下にとどまったものの、期待指数が7月以来の大幅な低下となった。今回は、若干の改善が予想されているが、先行きの見通しである期待指数が改善しているのか注目される。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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12 | 15 |
前回は予想以上の低下となり、過去最高となった10月の結果から低下した。ただ、依然として高水準を維持しており、製造業の堅調さが続いていることが示された。今回は、前回からさらに低下が予想されているものの、高い水準を維持すると見られていることから、小幅低下であるならば、鈍化傾向への懸念は高まらないだろう。 |