前営業日トピックス
年始の東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったものの、菅首相が首都圏1都3県に対して緊急事態宣言の検討に入るとの報道を受けてリスク回避の動きが広がり、日経平均株価が下落に転じたこともあり、円買いが優勢となった。ドルは、欧州通貨などに対して軟調な動きとなったことから、対円でも一段の下落となり、欧州時間には一時102.71まで下落した。
米国市場では、欧州市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、対ドルで2018年5/1以来の高値を更新したポンドは、主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドルと円が買われた。ドル/円は、一時103.25まで上昇したものの、米国債利回りが低下したこともあり、その後は対円で上値の重い動きが続いた。一方、英国が3回目のロックダウンとなるとの思惑が高まり、ポンドは終盤まで主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
米株式市場では、取引開始直後にダウ平均とS&P500が取引時間中の最高値を更新した。しかし、5日に米ジョージア州で実施される米連邦上院の決選投票を控え、投資家の警戒感が高まったことに加え、新型コロナウイルスへの懸念も圧迫要因となり、ダウ平均株価は一時31日と比べて724ドル安まで下落するなど、主要株価指数は軒並み大幅下落となった。ダウ平均株価は、終盤にかけては下げ幅を縮小し、382.59ドル安(-1.25%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは189.83ポイント安(-1.47%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が上昇して始まり、一時12/30日と比べて157円高まで上昇したものの、菅首相が新型コロナウイルスの感染対策として、東京都と神奈川、千葉、埼玉を対象に緊急事態宣言を発令する方向で調整に入ったとの政府高官の発言が報道されたこと受けて、日経平均株価が下落に転じ、一時400円超下落したことからリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)その後、日経平均株価が下げ幅を縮小したことからドル円・クロス円も下げ幅を縮小したものの、週内に緊急事態が宣言されるとの見方から株価は上値の重い動きとなり、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ドルは、欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことから、対円でも102.71まで下落し昨年3/11以来の安値となった。
(3)下げ一服後は値頃感の買い戻しなどもあり、ドル/円は底固い動きとなった。NY市場では、直前の欧州市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、欧州時間に対ドルで2018年5/1以来の高値を更新したポンドは、英国でのコロナ感染拡大が続いていることもあり、上昇一服後は主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドルと円が買われた。ドル/円は、欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったこともあり、対円で103.25まで上昇した。
(4)米長期金利の指標となる米10年債利回りが0.951%から0.904%まで低下したこともあり、ドル/円は終盤にかけて上値の重い動きが続いた。一方、ジョンソン英首相が会見を開くと首相報道官が発表したことを受けて、3回目のロックダウンとなるとの思惑が高まり、ポンドは終盤まで主要通貨に対して上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
朝方、英国で5日からロックダウンを開始することが発表されたものの、昨晩の海外時間でポンドは主要通貨に対して大幅下落となったこともあり、東京時間では下げが一服しているものの、上値の重い動きとなっている。日本時間夕方からロックダウン入りとなることから、欧州時間帯の動きには注目したい。
欧州市場では、ドイツの小売売上高、雇用統計など主要な経済指標の発表が予定されていることから、ユーロ圏の景気動向を見極める上で注目されている。
一方、米国市場では、ISM製造業景況指数の発表が予定されているが、米ジョージア州での連邦議会上院の2議席を巡る決選投票が行われる予定となっており、結果が注目されている。民主党が2議席確保となれば、上下両院を民主党が制することになり、ねじれ解消となる。
1/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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56.5 | 57.5 |
前回は市場予想を下回り、2018年9月以来の高水準となった10月の結果からは低下した。雇用は上昇したものの、新規受注や景況指数が低下したことが影響した。今回は、さらに低下が予想されており、製造業の拡大ペースが鈍化していることが示されると見られている。 |