前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が上昇して始まったものの、その後下落に転じて下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利が低下したこともドルの圧迫要因となった。ドルは欧州時間に入っても欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きが続き、対円でも上値の重い動きが続いた。
米国市場では、欧米の主要株価指数が上昇したこと受けて、ドルや円が売られ、資源国通貨やオセアニア通貨が堅調な動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル/円は一時103.45まで下落し、1/7以来の安値を付けた。一方、欧州各国でロックダウンの延長や規制が強化されていることを受けて、欧州経済の先行き懸念が高まっており、ユーロは欧州時間から軟調な動きが続いた。加えて、翌日にECB理事会を控えたポジション調整が観測されたことも影響した。
米株式市場では、バイデン氏が第46代米大統領に宣誓就任し、バイデン政権が打ち出している経済対策に対する期待感を背景に、米主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は257.86ドル高(+0.83%)で終了し、終値ベースでの最高値を7営業日ぶりに更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、260.07ポイント高(+1.97%)で終了し、取引時間中、終値ベースの最高値を更新して終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比167円高まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。五・十日であることから、仲値公示近辺では実需のドル買いが観測されたことも加わり、ドルは底固い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時231円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。さらに、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きが続いたことから、対円でも上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、欧米の主要株価指数が上昇したこと受けて、ドルや円が売られる動きとなり、特に資源国通貨やオセアニア通貨がドルや円に対して堅調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.119%から1.085%まで低下したことも加わり、ドル/円は一時103.45まで下落し、1/7以来の安値を付けた。一方、欧州各国でロックダウンの延長や規制が強化されていることを受けて、欧州経済の先行き懸念も高まっており、ユーロは欧州時間から軟調な動きが続いた。加えて、翌日にECB理事会を控えたポジション調整が観測されたことも影響した。また、カナダ中銀は政策金利を現行の0.25%で据え置いたが、声明で2023年まで低金利を維持するとした。ただ、経済見通しでは、2022年の成長率見通しを上方修正したことなどが好感され、ドルや円に対して堅調な動きとなった。カナダ・ドルは、対米ドルで2018年4月以来の高値を付けた。
本日のトピックス
海外の株式市場が堅調な動きとなる中、投資家のリスク志向の動きからドルや円が売られる動きが見られた。しかし、欧州各国でロックダウンの延長や、規制強化が実施されており、ユーロ圏経済の先行き懸念も広がっており、ユーロやポンドは上値の重い動きとなっている。その中で、資源価格の上昇も加わり、豪ドル、NZドルなどの資源国通貨が堅調な動きとなっている。
本日の東京市場では、前日の海外市場の株高を背景に、日経平均株価が序盤から200円超上昇しており、豪ドル/円も序盤から堅調な動きとなっている。ここから、1月序盤に付けた約2年ぶりの高値となった80.90台を目指す展開となるのか注目される。また、トルコや南アフリカ、ECBの金融政策発表が予定されており、結果や声明などにも注目したい。
米国市場では、低金利を背景に根強い需要が継続している住宅着工・建設許可件数と、冴えない結果が続いている失業保険申請件数の発表が予定されている。今回は、住宅着工件数が引き続き増加が予想されており、後者も改善が予想されている。追加の経済対策への期待も高まっていることから、予想通りに良好な結果となる場合には、結果を好感したドル買い戻しが入るのかにも注目したい。
1/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:20 | 南ア |
南ア中銀 政策金利 |
3.50% | 3.50% |
新型コロナウイルスの感染拡大により、昨年は1月から7月までに3.0%の利下げ(6.50%から3.50%)が実施されたが、7月以降は低インフレ率を背景に、2会合連続で主要政策金利のレポレートを過去最低である3.50%で据え置いている。今後もインフレ率の低水準が続くと予想されていることから、マーケットでは年央まで据え置きが続くとみられており、今回も据え置気が予想されている。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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156.0万件 | 154.7万件 |
前回は市場予想を上回り、3ヵ月連続の増加となった。一戸建て住宅が2007年以来高水準となるなど、低金利を背景に強い需要が継続していることが示された。着工件数の先行指標となる許可件数が前回2006年以来の高水準となったことから、今回も着工件数は上昇が予想されている。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(1/16までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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92.3万件 | 96.5万件 |
前回は、予想以上の増加となり、2020年8月以来の高水準となった。感染再拡大の影響で、規制が強化されていることが影響していると考えられる。今回は、3ヵ月ぶりに前週からの減少が予想されており、再び減少ペースとなるのか注目される。 |