前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったものの、クロス円への影響は限定的だった。特に、ポンドや政策金利が据え置きとなったNZドルが主要通貨に対して堅調な動きとなり、ポンド/円は2018年5月以来の高値、NZドル/円は2018年12/14以来の高値を付けた。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、クロス円は上値の重い動きとなったものの、ドルは欧州通貨などに対して上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数や米株価先物の上昇、さらに米長期金利の上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利の上昇を背景に、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時106.10まで上昇し、2/17以来約1週間ぶりに106円台を回復した。一方、米主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったことから、クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、その後は米パウエルFRB議長が米議会下院での議会証言で金融緩和策が長期化する可能性に言及したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落に転じた。一方、下落していた米主要株価指数が上昇に転じて上げ幅を拡大する動きとなったことから、クロス円は底固い動きとなった。
米株式市場では、長期金利の上昇を背景にダウ平均株価が前日比116ドル安まで下落するなど、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ただ、売り一巡後は追加の経済対策に対する期待感に加え、パウエルFRB議長が議会証言で金融緩和策を長期にわたり維持する可能性を改めて示したことが好感され、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は424.51ドル高(+1.35%)で終了、4営業日続伸となり終値ベースの最高値を更新。一方、ハイテク株中心のナスダックは、132.77ポイント高(+0.99%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなり、休場明けの日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時300円超下落となったものの、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。さらに、時間外取引の米10年債利回りが上昇となり、日米の金利差拡大が意識されたこともあり、ドル/円は105.49まで上昇した。また、英国のロックダウンが段階的に緩和されると発表されたことが引き続き好感され、ポンドは主要通貨に対して上昇となった。ポンドは、対ドルで2018年4/19以来の高値となり、対円では2018年5/18以来の150円台回復となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時480円超下落となったことから、投資家のリスク回避の動きも意識され、ドルや円が買われる動きとなった。ドルは、欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったこともあり、対円では一時105.56まで上昇した。
(3)欧州主要株価指数や米株価先物が堅調な動きとなったことからドルと円が売られ、クロス円は堅調な動きとなった。ドルは米長期金利の上昇を受けて、対円では堅調な動きとなった。
(4)米国市場では、米長期金利の上昇を背景に、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米長期金利の指標となる10年債利回りが一時1.43%まで上昇し、昨年2月以来1年ぶりの高水準となり、日米金利差拡大が意識されたことからドル買いが優勢となり、ドル/円は一時106.10まで上昇し、2/17以来約1週間ぶりの106円台回復した。一方、金利上昇を背景に、米主要株価指数が軟調な動きとなったこともあり、クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、ドル/円は106円台で上値の重い動きとなったことや、その後米パウエルFRB議長が米議会下院での議会証言で金融緩和策が長期化する可能性を改めて示したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落に転じた。一方、下落していた米主要株価指数が上昇に転じて上げ幅を拡大する動きとなったことから、クロス円は底固い動きとなった。
本日のトピックス
前日の米国市場の株高を背景に、東京市場でも日経平均株価が一時前日比500円超上昇するなど、リスク選好の動きが続いている。さらに、米国の長期金利の上昇を背景に日米金利差拡大が意識されて、ドル/円も堅調な動きとなっており、ドル円・クロス円は引き続き堅調な動きが続くのか注目したい。
米国市場では、第4四半期米GDP(改定値)、新規失業保険申請件数など、主要な経済指標の発表が予定されている。米経済が正常化に向かうとの期待感もあり、米株式市場では比較的堅調な動きが続いている。ただ、経済指標が冴えない結果となる場合には、期待感が後退する可能性もあることから、指標の結果が注目される。その中で、新規失業保険申請件数は、今週発表分のデータ集計期間に米国で寒波の影響が出ていたことから、申請件数の減少が予想される。ただ、翌週発表分にはその反動で増加している可能性もあり、翌週分と合わせて注目したい。
2/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
4Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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4.2% | 4.0% |
前回の速報値は市場予想を下回ったものの、過去10年間の平均値は上回った。ただ、GDPの約7割を占める個人消費が小幅な伸びにとどまったことが影響した。今回の改定値では、上方修正が予想されているが、個人消費の下方修正を予想する向きもあり、結果が注目される。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(1/20までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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84.0万件 | 86.1万件 |
前回は市場予想を上回り、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いているものの、労働市場への影響が続いていることが示された。今回は、前週からの減少が予想されているが、寒波の影響との見方があることから楽観視はできず、翌週の結果にも注目したい。 | ||||
22:30 | 米国 |
1月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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1.1% | 0.5% |
前回は市場予想を上回ったものの、3ヵ月連続の伸び幅の低下となった。輸送機器が4ヵ月ぶりにマイナスとなったものの、全体では引き続きプラスを維持しており、底固さがうかがえる。今回は、前回から伸び幅の拡大が予想されており、引き続き堅調さが示されると見られている。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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-0.5% | -0.3% |
前回は市場予想を上回ったものの、4ヵ月連続のマイナスとなった。住宅需要が高止まりしているものの、住宅在庫の減少と、それを受けた価格の上昇が影響していると見られている。今回も引き続きマイナスが予想されており、供給不足が影響すると見られている。 |