前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から大幅上昇となったことから、投資家のリスク選好の動きが強まり、ドルや円が売られる動きとなった。ドルは、序盤から対円でも上値の重い動きとなったが、米長期金利が上昇したことを受けて、対円でも堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は、ドル円・クロス円は共に上値の重い動きとなった。欧州時間では、米長期金利の上昇を受けて、ドルは堅調な動きとなった。一方、欧州主要株価指数が序盤から上昇したものの、対ドルで軟調な動きとなったこともあり、ユーロ/円やポンド/円などのクロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の堅調な流れを受けて、ドル/円は序盤に106.77まで上昇した。ただ、米国債利回りが低下したことから、ドルは対円で軟調な動きとなった。一方、フランス中銀総裁が金利上昇を牽制したほか、預金金利の引き下げの可能性に言及したことから、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後は、米主要株価指数が軒並み大幅上昇となったことや、リッチモンド連銀のバーキン総裁が現状の長期金利の上昇を容認する姿勢を示したことで低下していた米国債利回りが持ち直したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時106.89まで上昇し、昨年8/28以来の高値を更新した。
米株式市場では、米追加経済対策が米下院で可決されたことや、新型コロナウイルスワクチンの普及による米景気回復への期待を背景に、米主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米長期金利の上昇が一服したことも押し上げ要因となり、ダウ平均株価は一時前週末比735ドル高まで上昇した。ダウ平均は終盤に上げ幅を縮小したものの、603.14ドル高(+1.95%)で終了、一方、ハイテク株中心のナスダックは396.48ポイント高(+3.01%)で終了し、大幅続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比720円高まで上昇したことで、投資家のリスク選好の動きから円とドルが売られる動きとなった。ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも一時106.37まで下落した。
(2)序盤にやや低下した時間外取引の米10年債利回りが1.377%から1.422%まで上昇したことや、米議会下院が追加経済対策法案を可決したことで米景気回復期待が改めて意識されたこともあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は再び米長期金利が低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)欧州時間では、米10年債利回りが1.394%から1.453%まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、ユーロやポンドなどのクロス円は、対ドルでの下落も影響してやや軟調な動きとなった。
(4)米国市場では、欧州市場の流れを受けて、ドル/円は序盤から堅調な動きとなり、106.77まで上昇した。ただ、米長期債の指標となる米10年債利回りが1.453%から1.405%まで低下したことから、ドル上昇一服後なり、軟調な動きとなった。なお、序盤に発表された2月の米ISM製造業景況指数が2018年2月以来3年ぶりの高水準となったものの、反応は限定的だった。一方、フランス中銀総裁が「最近の利回り上昇は不当であり、ECBは対応する必要がある」、「必要に応じて預金金利の引き下げが含まれる」と、金利上昇を牽制したほか、預金金利の引き下げの可能性に言及したことから、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(5)米主要株価指数が軒並み大幅上昇となったことや、リッチモンド連銀のバーキン総裁が現状の長期金利の上昇を容認する姿勢を示したことで低下していた米10年債利回りが1.458%まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドルは、対円で106.89まで上昇し、昨年8/28以来の高値を更新した。
本日のトピックス
昨晩の米主要株価指数は軒並み大幅上昇となったことから、本日の日経平均株価も序盤から前日比300円超上昇となったものの、3万円の大台手前で押し戻されている。株式市場では、3万円台回復するかどうかが注目されており、回復する場合には、投資家のリスク選好の動きが意識される展開も考えられる。
欧米の長期金利の上昇が一服しているものの、米長期金利が再び上昇していることもあり、ドルも底固い動きが続いている。金利の動きには、株式市場や為替市場も影響を受けることから、引き続き金利の動向には注目したい。
米国市場では、本日主要な経済指標の発表がないことや、翌日から週末の米雇用統計まで主要な経済指標の発表が控えていることから、本日はやや限定的な動きも予想されている。