前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の株高を背景に、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比500円超上昇したことから投資家のリスク選好の動きが強まり、ドルや円が売られる動きとなった。さらに、米国債利回りの上昇もあり、ドルは対円で序盤から堅調な動きとなったものの、長期債利回りの上昇が一服すると、ドル/円も上値の重い動きとなった。一方、クロス円は序盤から堅調な動きが続いた。午後に入ると、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では一時109.17まで上昇した。
米国市場では、一旦低下していた米国債利回りが再び上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円で109.14まで上昇した。ただ、欧州時間に付けたこの日の高値の109.17には届かなかった。その後、3月の米ミシガン大消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことや、ダウ平均株価が史上最高値を更新する動きとなったことで、投資家のリスク選好の動きが強まり、ドルや円が売られる動きとなった。ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。一方、ユーロ/円が2018年10/1以来の高値を付けるなど、クロス円は堅調な動きとなった。
米株式市場では、米追加経済対策法案の成立などを受けて、米景気回復への期待感が高まったことを背景に、ダウ平均株価は一時前日比307ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。引けにかけてダウ平均はやや上げ幅を縮小し、293.05ドル高(+0.90%)で終了し、終値ベースの最高値も更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、米長期金利の上昇が影響して上値の重い動きが続き、78.81ポイント安(-0.59%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、海外市場の株高を背景に、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、投資家のリスク選好の動きが強まったこともあり、ドルや円を売る動きが優勢となった。ドルは米長期金利の上昇に伴い、対円でも堅調な動きとなった。一方、前日の海外時間で約3年ぶりに130円台を回復したユーロ/円は、東京市場でも序盤から堅調な動きとなり、一時130.29まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時前日比532円高まで上昇したことから、クロス円は堅調な動きとなった。特に、ポンド/円は一時152.24まで上昇し、2018年4/27以来の高値を更新した。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でもやや上値の重い動きとなった。しかし、その後米国債利回りが上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。
(3)ドル/円は上昇一服後、やや上値の重い動きとなったが、米国時間になると米長期金利の指標となる10年債利回りが1.584%から1.640%まで上昇し、昨年2月以来約1年1ヵ月ぶりの高水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では109.14まで上昇した。ただ、欧州時間に付けたこの日の高値の109.17には届かなかった。
(4)3月の米ミシガン大消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことや、米ダウ平均株価が史上最高値を更新する動きとなったことで、投資家のリスク選好の動きが強まり、ドルや円が売られる動きとなった。ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。一方、ユーロ/円が終盤に130.40まで上昇し、2018年10/1以来の高値を付けるなど、クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
先週末の米ダウ平均株価の上昇を受けて、日経平均株価も堅調な動きで始まった。株式市場では、再び3万円台の大台を回復するのか注目されている。さらに、欧米などで新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいることから、景気回復期待も高まっており、投資家のリスク選好の動きが続くのかどうかも注目されている。
サマータイム(夏時間)入りした米国市場では、3月のNY連銀製造業景気指数の発表が予定されている。このところの米国では、良好な経済指標の結果が続いており、その流れを引き継いで良好な結果が予想されている。ただ、翌日からFOMC(政策発表は17日)が始まることから、様子見ムードが高まる可能性も考えられ、予想の範囲内の結果なら反応は限定的と見られている。
3/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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14.0 | 12.1 |
前回は市場予想を上回り、昨年9月以来の高水準まで改善した。仕入価格、販売価格、新規受注、雇用者数が伸びたことが影響した。一方、6ヵ月先の予想でも、景況指数などが上昇しており、製造業者が先行きに楽観的な見方を示していることが示された。今回は、前回からさらに改善が予想されており、製造業の拡大ペースが続いていることが示されると見られている。 |