前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円が序盤から堅調な動きとなり、ドル/円は109.80まで上昇した。その後、日経平均株価が上昇して始まったものの、月末・期末・年度末を控えた実需のドル売り・円買いが観測されたこともあり、上値の重い動きとなった。午後に入り、日経平均株価が前週末比400円超上昇したものの、その後は上げ幅を大幅に縮小する動きとなったことや、米国債利回りが低下したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。欧州時間には欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、米国債利回りが持ち直したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、米主要株価指数が軒並み下落したことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドルと円が買われる動きとなった。さらに、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル/円は一時109.84まで上昇した。ただ、前日の高値の109.85には届かなかった。一方、ドイツやフランスなどでロックダウンが強化されており、景気回復の遅れが懸念されていることもあり、ユーロはドルや円に対して上値の重い動きが続いた。ただ、序盤に下落していたダウ平均株価がプラス圏まで上昇し、最高値を更新する動きとなったこともあり、ユーロは対円で底固い動きも見られた。
米株式市場では、米投資会社との取引が絡むとみられる多額損失が金融機関に広がることの警戒感を背景に、ダウ平均株価は前週末比167ドル安まで下落するなど、主要株価指数は序盤から軒並み軟調な動きとなった。ただ、その後はバイデン大統領が4/19までに90%の成人にワクチン接種を行う方針を示したことで、米景気が正常化に向かうとの楽観的な見方が広がったことや、巨額のインフラ投資への期待感もあり、主要株価指数は下げ幅を縮小した。ダウ平均株価は、一時186ドル高まで上昇する場面もあったが、98.49ドル高(+0.30%)で終了、2営業日連続で過去最高値を更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは79.08ポイント安(-0.60%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。その後、日経平均株価が上昇して始まったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時109.80まで上昇したものの、前週末に付けた昨年6/5以来の高値となる109.85には届かなかった。
(2)月末・期末・年度末を目前に控えたスポ末(スポット取引の決済が月末となる)だったことから、実需のドル売り・円買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後に入り、日経平均株価が前週末比401円高まで上昇したものの、その後、24円高まで上げ幅を縮小したことや、米10年債利回りが1.670%から1.635%まで低下したこともあり、ドル円・クロス円は、軟調な動きが続いた。下げ一服後は、欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、低下していた米10年債利回りが上昇に転じたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がない中、ファンドの多額の損失問題の拡大懸念を背景に、米主要株価指数は軒並み下落したことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドルと円が買われる動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.639%から1.725%まで上昇したことから、ドル/円は一時109.84まで上昇した。ただ、前日に付けた昨年6/5以来の高値となる109.85には届かなかった。一方、新型コロナウイルスの感染が拡大していることから、ドイツやフランスなどでロックダウンが強化されており、景気回復の遅れが懸念されていることから、ユーロはドルや円に対して上値の重い動きが続いた。ただ、序盤から下落していたダウ平均株価がプラス圏まで上昇し、最高値を更新する動きとなったこともあり、底固い動きも見られた。
本日のトピックス
前日の米株式市場がまちまちの結果となったこともあり、本日の日経平均株価も序盤から小動きの展開となっている。引き続き月末・期末のポジション調整の動きには注意したい。一方、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントを巡る多額損失が金融機関に広がることが警戒されており、一部では損失に伴う米国債のポジション調整(米国債の売り=利回りの上昇)も警戒されている。
米国市場では、3月の米消費者信頼感指数の発表が予定されている。前月まで2ヵ月連続の上昇となっているものの、依然としてコロナ拡大前の水準を大幅に下回っており、依然として消費者が米経済の先行きに慎重な見方をしていることが示されている。今回は、一段の改善が予想されており、先行きに対して楽観的と受け取られるのかどうか注目したい。
3/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
3月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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96.8 | 91.3 |
前回は市場予想を上回り、2ヵ月連続の上昇となった。期待指数はやや低下したものの、現況指数が上昇となり、現状に対する楽観的な見方が広がりつつあることが示された。ただ、コロナ感染拡大前の2019年までの過去3年間の平均である126を依然として大幅に下回っていることから、引き続き消費者は慎重な姿勢を崩していないことが伺える。 |