前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大する動きとなったものの、米国債利回りが上昇したことや、月末・期末・年度末に伴う実需のドル買いが優勢となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドルは対円でも堅調な動きとなり、一時110.97まで上昇し、昨年3/26以来の高値を更新、クロス円もこの動きに連れて上昇した。午後に入り上昇が一服したことや、米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、対円でもやや軟調な動きとなった。
NY市場では序盤に発表された3月の米ADP雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったこと受けて、ドルはやや軟調な動きとなった。その後、米10年債利回りが低下したことや、ロンドンフィキシングに向けたドル売りが観測されたこともあり、ドルは対円で一時110.41まで下落した。ただ、終盤にかけて米長期金利が持ち直したこともあり、ドル/円は再び110.70台を回復した。一方、ダウ平均株価が終盤に再びマイナス圏まで下落したことが影響し、クロス円は上値の重い動きとなった。
米株式市場では、バイデン米政権の2.2兆ドル規模のインフラ投資計画に対する期待感から買いが先行し、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、月末・期末のポジション調整などもあり、ダウ平均株価はマイナス圏まで下落した。その後は、米経済の回復期待なども根強く、底固い動きとなったものの、ダウ平均株価は終盤に再びマイナス圏まで下落、85.41ドル安(-0.26%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、201.48ポイント高(+1.54%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の株価下落を背景に、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比267円安まで下落した。しかし、米10年債利回りが上昇したことや、月末・期末・年度末で実需の駆け込み的なドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル/円は堅調な動きとなった。一方、クロス円もドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。
(2)仲値通過後は、やや失速する場面もあったが、米10年債利回りの上昇が続いたことや、バイデン大統領が1.9兆ドル規模の追加経済対策に続いて、総額最大4兆ドル規模とも言われるインフラ計画に関して演説で詳細を明らかにするとされており、米経済の回復に寄与するとの期待感がドルの下支え要因となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は一時110.96まで上昇し、昨年3/26以来の高値を更新した。その後、上昇が続いていた米10年債利回りが下落に転じたこともあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、序盤に発表された3月の米ADP雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったこと受けて、ドルはやや軟調な動きとなった。しかし、前回結果が上方修正されたことで実質的な伸びが市場予想を上回ったこともあり、下値は限定的となった。その後、米10年債利回りが低下したことや、ロンドンフィキシングに向けたドル売りが観測されたこともあり、ドルは対円で序盤の110.84から110.41まで下落した。
(4)終盤にかけて、低下していた米長期金利が持ち直したことから、ドル/円は再び110.70台を回復した。一方、ダウ平均株価が終盤に再びマイナス圏まで下落したことが影響し、クロス円はやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
昨晩発表された3月の米ADP雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想の+55.0万人を下回る+51.7万人となったことを受けて、ドルは主要通貨に対してやや軟調な動きとなった。ただ、前回結果が+11.7万人から+17.6万人に5.9万人上方修正され、実質ベースで雇用者数の伸びが+57.6万人となったこともあり、ドルの下値は限定的となった。
その中で、本日の米国市場では、米新規失業保険申請件数、3月の米ISM製造業景況指数の発表が予定されており、ともに前回からの改善が予想されている。特に週末の米雇用統計の発表が予定されており、先に発表された消費者信頼感指数で雇用の良好な結果が示されたことや、ADP雇用統計が大幅増となったこともあり、発表される雇用関連指標の改善が示されれば、さらに雇用統計に対する期待感が高まる可能性も考えられる。
4/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(3/27までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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68.0万件 | 68.4万件 |
前回は市場予想が下回り、昨年3/13の週以来の低水準まで改善した。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動の制限が緩和されたことで、労働市場の改善につながったと見られる。今回は、前週から更に減少が予想されており、緩やかながら啓善が続くと見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月ISM製造業景況指数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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61.4 | 60.8 |
前回は予想以上の上昇となり、2018年2月以来の高水準となった。雇用が2年ぶりの高水準となるなど、大半の項目が前月から上昇したことが影響した。当該指数の先行指標となるフィラデルフィア連銀指数が予想以上の大幅上昇委となり、1973年以来の高水準となったことから、一部では予想以上の上昇を期待する向きも。 |