前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の軟調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から下落となり、一時前日比400円超下落となったことも影響した。下げ一服後は値を戻す動きとなったものの、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。ただ、ユーロ圏の経済指標が良好な結果となったことを受けて、欧州通貨はドルや円に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、米国債利回りの低下を受けて、ドル/円は一時107.48まで下落し、3/4以来の安値を更新した。一方、ドル/円の下落を受けて、クロス円も連れ安となった。その後、米経済指標が良好な結果となったことを好感して、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米国債利回りが上昇に転じたことも加わり、ドル/円は108.14まで上昇した。ただ、終盤にかけて、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
米株式市場では、22日発表のバイデン政権のキャピタルゲイン課税の税率を大幅に引き上げる方針との報道をきっかけとした売りが一巡し、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことも好感された。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きが続き、終盤に一時前日比341ドル高まで上昇した。ただ、引けにかけてはやや上げ幅を縮小し、227.59ドル高(+0.67%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは198.40ポイント高(1.44%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が下落して始まり一時前日比417円安まで下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は、一時107.80まで下落し、5営業日連続で前日の安値を下回った。
(2)その後、時間外取引の米10年債利回りが1.545%から1.562%まで上昇したことに加え、400円超下落した日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。ただ、ドル/円は108円台を前にして上値の重い動きが続いた。
(3)ドイツやユーロ圏の製造業・非製造業のPMIが良好な結果となったことから、ユーロはドルや円などの主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、ドルは欧州通貨に対して軟調な動きとなったことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.529%まで低下したこと受けて、米国市場序盤にかけて、ドル/円は107.48まで下落し、3/4以来の安値を更新した。ドル/円の下落を受けて、クロス円も連れ安となった。
(4)米製造業・非製造業PMIが良好な結果となったことや、3月の米新築住宅販売件数が、2006年8月以来、14年7ヵ月ぶりの高水準となったことを好感してドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米10年債利回りの低下が一服して、1.580%まで反発したことも加わり、ドル/円は108.14まで上昇した。ただ、終盤にかけて、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
欧州市場では、ドイツの4月IFO企業景況感指数の発表が予定されており、先週末のユーロ圏・ドイツの指標結果が良好な結果となったことから、引き続き良好な結果が続き、ユーロ圏経済の先行きに期待感が持てる内容となるのか注目されている。
一方、米国市場では、3月の米耐久財受注の発表が予定されている。前回は予想以上の低下となり、約1年ぶりのマイナスとなり、製造業の活動が失速したとの見方も広がった。ただ、寒波の影響もあり、今回大きく改善すれば、前回の結果が悪天候の影響だったことが示され、製造業の活動は比較的堅調との見方が広がる可能性も考えられる。
4/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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2.0% | -1.2% |
前回は市場予想を下回り、昨年4月以来の大きなマイナスとなった。昨年、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、大幅な落ち込みから改善が続いていたものの、再びマイナスに落ち込み、改善が鈍化していることが示された。ただ、寒波が影響している可能性もあり、一時的な悪化だったかどうか、今回の結果が注目される。 |