前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ドル/円は一時3日ぶりに109円台割れとなったが、すぐに切り返すなど、底固い動きも見られた。その後は下落して始まった日経平均株価や、米国債利回りの上昇を背景に、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードも強く、その後は限定的な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で失業率や雇用者数の伸びが予想外の結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、発表直前の109.24から108.34まで下落し、クロス円も連れ安となった。ただ、緩和策縮小が想定より早まるとの見方が後退したこと受けて、米主要株価指数が堅調な動きとなったこともあり、欧州市場や資源国通貨は対円でも堅調な動きとなった。
米株式市場では、4月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大幅に下回ったことや、失業率が悪化したことから、ダウ平均株価が序盤に84ドル安まで下落した。しかし、一方で金融緩和策が継続されるとの思惑から、主要株価指数は軒並み堅調な動きとなった。さらに、物価や米長期金利の上昇懸念が後退したことも押し上げ要因となった。ダウ平均株価は、終盤に前日比262ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。引けにかけて高値圏を維持したまま229.23ドル高(+0.66%)で終了し、終値ベースの最高値も更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、119.39ポイント高(+0.88%)で終了した。また、S&P500は、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。ドル/円は一時109.00を割り込んで108.94まで下落した。ただ、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じ、一時前日比118円高まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇したことも加わり、ドルは対円で109.19まで上昇した。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなり、午後に入り、日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、米国債利回りが低下したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、米雇用統計を控えて様子見ムードも強く、限定的な動きが続いた。
(3)米雇用統計では、良好な結果が予想されていたこともあり、発表直前にやや買いが先行した。しかし、発表された雇用統計では、雇用者数の伸びが予想外の大幅低下となったことや、失業率の悪化を受けて失望感が広がり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、発表直前の109.24から108.34まで下落し、クロス円も連れ安となった。
(4)最近の良好な経済指標結果などを背景に、緩和策縮小が想定より早まるとの見方があったが、冴えない雇用統計の結果を受けてその見方が後退したことを受けて、米主要株価指数が堅調な動きとなったことや、対ドルで上昇が続いたこともあり、ユーロやポンドなどの欧州市場や、豪ドルなどの資源国通貨は対円でも堅調な動きとなった。
本日のトピックス
前週末の米雇用統計が冴えない結果となったことを受けてドル安となった流れが一服し、週明けの東京市場ではドル/円は序盤から底固い動きとなっている。さらに、日経平均株価が序盤から前週末比286円高まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなっている。本日の欧米市場では、主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きも予想されているが、冴えない結果となった米雇用統計の影響が残っているのかどうかが注目される。一方、株式市場では、緩和策縮小が想定より早まるとの見方が後退したことで前週末は堅調な動きとなったが、引き続き堅調な動きが続くのか注目したい。