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2024-03-29 23:57:53

マーケット > レポート > マーケットトピックス 2021年5月14日

マーケットトピックス 2021年5月14日

前営業日トピックス

前日の海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤に109.78まで上昇し、4/9以来の高値となった。しかし、その後に米国債利回りが時間外取引で低下したことから、ドルは軟調な動きとなり、ドル/円は109.48まで下落した。一方、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時750円超下落したことから、リスク回避の動きが意識され、円が買われる動きとなり、クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、欧州時間序盤には、欧州勢の円買いなどもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。

米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み良好な結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。米国債利回りの低下が続いたことが影響し、ドルの上昇は一時的となり、その後は上値の重い動きが続き、ドル/円は終盤に109.41まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで序盤から軟調な動きとなったものの、米長期金利の低下が続いたことで、対ドルで上昇に転じたことや、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、対円では終盤まで堅調な動きとなった。

米株式市場では、ここまで下落が続いたこともあり、値頃感の買い戻しが先行したことや、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が約1年2ヵ月ぶりの低水準まで改善したことを受けて、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことで、インフレ加速への懸念が後退したことも押し上げ要因となった。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きが続き、終盤に一時前日比594ドル高まで上昇した。引けにかけてやや上げ幅を縮小したものの、433.79ドル高(+1.29%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、93.31ポイント高(+0.72%)で終了した。

米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足

(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から堅調な動きとなり、一時109.78まで上昇し、4/9以来の高値をとなった。その後、前日の米国市場で主要株価指数が軒並み大幅下落したこと受けて、日経平均株価が序盤から大きく下落して始まり、500円超下落したことから、円が買われる動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で1.701%から1.676%まで低下したことから、ドルは対円で下落となり、一時109.48まで下落した。

(2)米10年債利回りの下げが一服したことから、ドルは主要通貨に対して値を戻す動きとなった。一方、午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時762円安まで下落したことから、クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間では、再び米長期金利が低下したことから、ドルは円やユーロなど主要通貨に対して上値の重い動きとなった。

(3)米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が約1年2ヵ月ぶりの低水準まで改善したことや、4月の米生産者物価指数が2010年11月以来の大幅な伸びとなったことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。対円では109.69まで上昇したものの、東京市場での高値(109.78)を更新できなかった。しかし、欧州時間序盤から米長期金利の指標となる米10年債利回りの低下が続いたことが影響し、ドルの上昇は一時的となり、その後は上値の重い動きとなった。一方、序盤から欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上値の重い動きとなったことから、対円でも軟調な動きが続いた。

(4)米10年債利回りが下げ幅を拡大し、欧州時間序盤の1.703%から1.648%まで低下が続いたことで、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなり、ドル/円は109.41まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇に転じたことや、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、対円でも堅調な動きが続いた。

本日のトピックス

前日の海外市場や、本日の東京市場では主要株価指数の下落が一服し上昇に転じているが、アジア時間や欧州時間では主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しいことから、限定的な動きが予想されている。ただ、時間外取引の米国債利回りに動きが出るようなら、その動きに敏感に反応する可能性も考えられる。

先日発表された米消費者物価指数の結果を受けて上昇した米長期金利がやや低下したことで、ドル/円も高値からやや上値の重い動きとなっている。先週の米雇用統計や、今週の米消費者物価指数の結果を受けて、米金融政策に対する思惑が交錯していることから、引き続き重要な経済指標結果や、金利動向が注目されている。

本日の米国時間では、重要な経済指標である4月の米小売売上高、5月のミシガン大消費者信頼感指数(速報値)の発表が予定されており、結果とそれを受けた金利動向に注目したい。

5/14の注目材料

時間 国・地域 経済指標・イベント 予想 前回
21:30 米国

4月小売売上高(前月比)

小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
1.0% 9.8%
前回は、市場予想を上回る伸びとなり、2020年5月以来の高い伸びとなった。追加経済対策の給付の影響で消費が拡大したことが示された。今回は、前月からの伸び幅の縮小が予想されているが、引き続き個人消費の堅調さが示されると見られている。
22:15 米国

4月鉱工業生産(前月比)

鉱工業生産は、鉱工業関連の生産動向を指数化したものであり、2002年を100として数値が算出され前月比で発表される。GDPに占める鉱工業部門の割合が約20%程度であることから重要な経済指標である。
1.0% 1.4%
前回は、市場予想ほどの伸びとはならなかったものの、2020年7月以来の高い伸びとなった。2月の寒波の影響で10ヵ月ぶりの大幅なマイナスとなった反動で改善となり、悪化が一時的だったことが示された。今回は、前回から伸び幅の縮小が予想されているものの、底固い動きが続くと見られている。
23:00 米国

5月ミシガン大学消費者信頼感指数

ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
90.1 88.3
前回の4月の確報値は、速報値から上方修正され、2020年3月以来の高水準まで改善した。追加の経済対策や、ワクチン接種の拡大で、景気回復期待が高まっていることが示された。今回は、さらに改善が進むと見られており、予想通りならコロナ感染拡大前の水準に近づき、消費者の楽観的な見方が広がっていることが示されると見られている。
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