前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時111.66まで上昇し、前日に付けた111.64を上抜けて2020年3/25以来の高値を更新した。その後は米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まったことから、限定的な動きが続いた。一方、ラガルドECB総裁が、ユーロ圏経済の回復に関してハト派的な見方を示したことが嫌気され、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回る結果となったことから、ドルは主要通貨に対して上昇した。しかし、失業率が悪化するなど、強弱まちまちの結果となったことから、FRBが量的緩和の縮小を急がないと受け止められ、ドルは主要通貨に対して下落に転じた。ドル/円は、一時110.95まで下落したものの底堅い動きとなり、111円台を回復して終了した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。
米株式市場では、米雇用統計が強弱まちまちの結果となったことから、量的緩和策の早期縮小への警戒感が後退したとの見方が広がり、主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも押し上げ要因となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比20ドル安まで下落したものの、その後は堅調な動きが続き152.82ドル高(+0.44%)で終了し、終値ベースの最高値を2ヵ月ぶりに更新した。さらに、ハイテク株中心のナスダック116.95ポイント高(+0.81%)で終了し、S&P500と共に取引時間中と終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外時間で雇用関連の経済指標が良好な結果となったことから、2日の米雇用統計に対する期待感が高まり、ドルは主要通貨に対して序盤から堅調な動きとなった。対円では、一時前日の海外時間に付けた111.64を上抜けて111.66まで上昇し、2020年3/25以来の高値を更新した。
(2)その後は、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まったことから、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。その後、ラガルドECB総裁が、「経済の回復は良好だが脆弱なまま」、「持続可能な回復には至っていない」とハト派的な見方を示したことが嫌気され、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された6月の米雇用統計で、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が市場予想の+72.0万人を上回る+85.0万人となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、失業率が5.9%と市場予想の5.6%を上回り、前月の5.8%も上回る悪化となるなど、強弱まちまちの結果となったことから、FRBは量的緩和の縮小を急がないと受け止められ、さらに米長期金利が低下したことも加わり、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、一時110.95まで下落したものの、111円台割れ近辺では底固い動きとなり、111円台を回復して終了した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。
本日のトピックス
先週末の米雇用統計が強弱まちまちの結果となり、明確な回復とならなかったことから、FRBが量的緩和の縮小を急がないと受け止められたことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は一時110.95まで下落するなど、111円台を割り込む動きとなったが、111円台割れ近辺では底固い動きとなった。
週明けのアジア時間では、序盤にドル/円は一時110.97まで下落したものの、再び底固い動きとなり、111円まで戻している。本日は、米国市場が独立記念日の振替休日で主要市場が休場となることから限定的な動きが予想されているが、ドル/円が111円台を維持できるのかどうかが注目されている。