前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比280円超上昇したことから、投資家のリスク選好の動きも強まり、円が売られる動きとなった。ドルは、米長期金利の上昇も加わり、対円で一時110.44まで上昇し、前日の高値を上抜けた。午後に入り日経平均株価が上げ幅を縮小したほか、欧州時間で欧州主要株価指数、米株価先物が軟調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、6月の米消費者物価指数が市場予想を上回り、米景気回復に伴うインフレ高進への警戒感が高まったことを受けて米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時110.56まで上昇したが、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。その後、上昇一服となり、ドル/円は110.28まで下落したものの、冴えない米30年債入札結果を受けて、米長期債が売られた(利回りは上昇)ことから、ドルは再び主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では110.64まで上昇した。
米株式市場では、6月の米消費者物価指数が市場予想を上回ったことを受け、インフレ高進への警戒感が高まり、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。その後、ナスダックやS&P500がプラス圏まで持ち直す場面もあったが、冴えない米30年債入札の結果を受けて米長期債利回りが1週間ぶりの高水準まで上昇したことから、主要株価指数は下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤に前日比22ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて107.39ドル安(-0.31%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、S&P500とともに序盤に取引時間中の最高値を更新したが、米長期金利の上昇を背景に下落に転じ、55.59ポイント安(-0.38%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の米国市場での株高を背景に、日経平均株価が序盤から上昇となり、一時前日比283円高まで上昇して約2週間ぶりの高値となったことを好感し、投資家のリスク選好の円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引の米10年債利回りの上昇も加わり、ドルは対円で前日高値の110.40を上抜けて110.44まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ただ、6月の米消費者物価指数の発表を控えて結果を見極めたいとの思惑もあり、限定的な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された6月の米消費者物価指数が前月比で2008年6月以来、前年比で2008年8月以来の伸びとなったことから、米景気回復に伴うインフレ高進への警戒感が高まったことを受けて米長期金利が上昇となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、前日高値の110.40を上抜けて110.56まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。
(4)米長期金利の上昇が一服したことから、ドル/円も110.28まで下落した。その後、米30年債入札で入札倍率が低下するなど、需要が弱まったことを受けて、米長期債が売られ(利回りが上昇)、米長期金利の指標となる米10年債が1.341%から1.420%まで上昇し、1週間ぶりの高水準となったことから、ドルは再び主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円では110.64まで上昇した。
本日のトピックス
欧州時間では、トルコ中銀の金融政策発表が予定されており、政策金利は現行の19.0%で据え置かれるとの予想がコンセンサスとなっている。ただ、第4四半期には利下げが予想されているものの、インフレ率の上昇が続いていることから、利下げ幅は小幅に留まるとの見方もあり、今後のインフレ率の推移と共に、声明や当局者の発言に注目したい。
米国では6月の米生産者物価指数の発表が予定されており、物価上昇が維持されると予想されている。特に前日の6月米消費者物価指数が予想以上の上振れとなったことから、注目度も高まっている。一方、パウエルFRB議長の下院金融委員会での議会証言が予定されており、量的緩和策の縮小のタイミングなどのヒントがあるのか注目されている。さらに、物価上昇に関する見解も注目されるだろう。
また、ベージュブック[米地区連銀経済報告]の発表も予定されており、次回のFOMCの討議資料となることから、景気回復などが進んでいるのかどうか注目したい。さらに、米国の複数の大手金融などの四半期決算の発表が予定されており、こちらの結果にも注目が集まっている。
7/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:00 | トルコ |
トルコ中銀 政策金利 |
19.00% | 19.00% |
トルコ中銀は、ここまで3会合連続で政策金利が据え置いているが、今回も現行の19.00%に据え置かれると予想されている。ただ、マーケットでは第4・四半期に利下げが予想されている反面、6月のトルコ消費者物価指数が上昇したこともあり、声明や当局者の発言内容が注目される。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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0.5% | 0.8% |
前回は市場予想を上回る上昇率となり、前年比では、2010年の統計開始以来最大の伸びとなった。値上げ圧力が一段と高まっていることが示された。今回は、前月比では、伸び幅の低下が予想されているものの、依然として高い伸びが続くと見られている。一方、前年比では最大の伸び幅を更新すると予想されており、物価上昇圧力が高まっていることが示されると見られている。 |