前営業日トピックス
アジア市場では、日本市場の休場で新規材料に乏しい中、時間外取引の米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後の欧州市場でもドルは堅調な動きとなり、さらにユーロ圏の経済指標が良好な結果となったことから、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、欧米の主要株価指数が上昇したことから、投資家のリスク志向が改善し、円売りが優勢となった。ドル/円は一時110.59まで上昇し、7/14以来の高値をつけた。その後、週末であることや、来週のFOMCを控えて様子見ムードが強まっていたことから、ドル/円は上値の重い動きとなった。一方、米主要株価指数の上昇が続いたものの、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上値の重い動きとなったこともあり、対円でも上値の重い動きとなった。
米株式市場では、米主要企業の好調な決算発表を好感し、米景気回復への期待感の高まりを背景に、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、終盤に一時前日比271ドル高となり、取引時間中の最高値を更新した。引けにかけてやや上げ幅を縮小したものの、238.20ドル高(+0.68%)の35061.55で終了し、初めて終値ベースで35000ドルを超えた。一方、ハイテク株中心のナスダック、S&P500も取引時間中と終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場が休場となる中、時間外取引の米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)欧州時間では、ドイツやユーロ圏の製造業PMIが市場予想を上回る結果となったことから、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対円で130.18、対ドルで1.1786まで上昇した。しかし、上昇一服後は主要通関ち愛して上値の重い動きとなった。一方、ドルは米10年債利回りがアジア時間の1.263%から1.309%まで上昇したことを好感して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧米の主要株価指数が上昇したことから、投資家のリスク志向が改善し、円売りが優勢となった。週末であることから積極的な売買が手控えられたことや、米長期金利が低下したこと、さらに序盤に発表された米製造業PMIが市場予想を上回ったものの、サービス業PMIが予想を下回る結果となり、反応は限定的だったものの、ドルは底固い動きとなった。
(4)その後もドルは欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動き動きを続けドル/円は再び110.59まで上昇し、7/14以来の高値をつけた。NY市場終盤にかけて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが序盤の1.309%から1.276%まで低下したものの、110.50台を維持して取引を終了した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上値の重い動きとなったこともあり、米主要株価指数の上昇が続いたものの、対円でも上値の重い動きとなった。また、南ア中銀が前日に、今月発生した暴動でコロナ禍からの景気回復が遅れると警告したことで、近く利上げが実施されるとの観測が後退し、ランドは主要通貨に対して軟調な動きとなった。南アフリカ・ランドはドルと円に対してともに3/31以来の安値となった。
本日のトピックス
連休明けの東京市場では、前週末の海外市場の株高を背景に、日経平均株価が序盤から450円超上昇したこともあり、ドル円・クロス円が底固い動きとなるのか注目される。ドル/円は、前週末の高値の110.59、7/14の高値の110.70がポイントとなっており、ここを上抜けて一段上昇となるのか注目される。
欧州時間では、7月のドイツIFO企業景況感指数の発表が予定されており、先週末に発表されたドイツの製造業、サービス業PMIがともに市場予想を上回る結果となり、ユーロの押し上げ要因となったことから、本日の結果も注目される。一方、米国市場では、6月の米新築住宅販売件数の発表が予定されており、懸案となっている住宅価格の上昇、在庫不足が改善されているのか注目されている。さらに、米主要企業の四半期決算も予定されており、結果を受けた株式市場の動きにも注目したい。
7/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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80.0万件 | 76.9万件 |
前回は市場予想を下回る結果となり、2020年5月以来の低水準となった。依然として住宅需要は根強いものの、在庫不足による価格高騰が続いており、住宅購入を手控える動きが影響した。今回は、前月から増加が予想されているが、在庫不足が解消に向かう兆しが示されるのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の基準線を上抜けて堅調な動きとなっており、目先の上値のポイントとなる前週末の高値110.589、7/14高値110.697を上抜けて一段の上昇となるのか注目される。
オシレーターのMACDでは、両線がクロスしていることから、目先堅調な展開を示唆する形状となっており、両線の乖離幅がさらに拡大となるのか注目したい。一方、先週末に上抜けた基準線は110.362に位置しており、当面は横ばいが続くことから、ここを下抜ける場合には、一旦雲上限ライン近辺までの調整となる可能性も考えられることから注目した。