30日にご用心 東証・大証の現物株統合の影響が今頃!
日経平均概観
図表1:先週の日経平均株価の動向
日付 |
始値 |
高値 |
安値 |
終値 |
前日比 |
出来高(株) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
10月21日 |
(月) |
14,624 |
14,728 |
14,624 |
14,694 |
132 |
1,750,930,000 |
10月22日 |
(火) |
14,677 |
14,748 |
14,642 |
14,713 |
20 |
2,172,470,000 |
10月23日 |
(水) |
14,784 |
14,799 |
14,426 |
14,426 |
-287 |
2,727,330,000 |
10月24日 |
(木) |
14,345 |
14,500 |
14,274 |
14,486 |
60 |
2,311,250,000 |
10月25日 |
(金) |
14,439 |
14,442 |
14,088 |
14,088 |
-398 |
2,411,390,000 |
Bloombergデータより投資調査部作成
先週は、週初は先々週までの堅調地合いを引き継ぎ薄商いながら、小幅高となったが、23日(水)に14,800円を手前に失速、急落した。9月27日〜30日に空けていた窓(14,760-14,530)を埋め、9月27日高値14,817円を目前にして大幅調整となった。翌24日(木)は小反発したものの、25日(金)には、再度暴落、14,088円まで下げた。
下げの理由として、中国の銀行間金利の上昇など、中国経済の不安や、中国検索サイト大手アリババの上場延期観測などからソフトバンクが売られたことが、あげられていたようです。
しかし、中国株よりも日本株が下げる理由にはならず、商品系(CTA)のファンドなどからの大規模なインデックス売りが影響したようです。
今週月曜日28日(月)には、外部環境に特に大きな変化がない中、短期的な売られすぎの反動で、日経平均株価は300円以上の上昇を見せています。
図表2:日経平均株価日足チャート
当社HPより、SBI証券投資調査部が作成。データは2013年10月28日現在。
今週の日経平均株価 30日にご用心 東証・大証の現物株統合の影響が今頃!?
今週の日経平均株価の動向を考える上で重要なのが、30日の引け後にTOPIX(東証株価指数)のリバランスが行われることです。今回は、大きく下記の2つの理由によるリバランスが行われます。
- 3月決算銘柄の浮動株比率修正
- 東証・大証 現物株市場統合による旧大証単独上場銘柄の組入れ
TOPIXは、単なる時価総額加重平均ではなく、浮動株を考慮した時価総額加重平均株価です。大株主の持株比率の高い銘柄は、浮動株の比率が少ないため、実際の時価総額での比率よりTOPIXの組入れ比率が小さくなることになります。
この浮動株比率は、決算期に応じて年 1回の「定期見直し」を実施するとともに第3者割当増資など浮動株比率が適宜、東証によって見直されます。3月期決算銘柄の定期見直しは10月です。また、7月16日に東証と大証の現物株市場が統合されましたが、TOPIXへの旧大証単独銘柄の組入れは、8月末と10月末の2回に分けて行われます。
今週水曜日10月30日に終値でこの2つのリバランスが行われるため、比較的大きなリバランスのための売買が想定されます。
今回の浮動株比率に関しては、浮動株比率の引き上げが多く、修正銘柄の中では買い越しとなります。
TOPIXリバランスの場合、TOPIX連動型で運用されている約20兆円の資金の中で、リバランス売買が行われるのですが、購入資金を捻出するために、広く・薄く構成銘柄を売る必要があり、全体としてはTOPIXの引き下げ要因となります。
ちなみに東証・大証の現物株市場統合による第1回の組入れが行われた8月29日前後の日経平均とTOPIXのパフォーマンス比較(28日始値を100)が図表3、日経平均とTOPIXのパフォーマンス差異が図表4です。
TOPIXにインデックス売りがあったため、相対的に日経平均のパフォーマンスが良くなっていると言えそうです。
今回も同様な推移を辿ると仮定すれば、相対的にTOPIXより日経平均株価のパフォーマンスが好調になりそうです。
今週の戦略
- 高値14,817円-安値14,027円のレンジ内の値動きを想定
- ロングで入る場合は日経平均先物、ショートで入る場合はTOPIX先物が良さそうです。
- 日経平均買い・TOPIX売りのNT倍率の上昇が想定できそうです。
図表3:日経平均株価・TOPIXパフォーマンス比較(2013年8月28日〜9月4日 15分足終値データ)
Bloombergデータより投資調査部作成
図表4:日経平均株価・TOPIXパフォーマンス差異(2013年8月28日〜9月4日 15分足終値データ)
Bloombergデータより投資調査部作成
今週の注目のイベント
- 29日(火) 米FOMC(連邦公開市場委員会) 30日まで
- 30日(水) TOPIXリバランス
→TOPIXに売り圧力 - 31日(木) 日銀金融政策決定会合 ・日銀黒田総裁記者会見
決算発表集中日 - 1日(金) 米国10月のISM製造業景況指数