日経平均株価に反発のサイン!?騰落レシオは約8ヶ月ぶりの低水準!
日経平均概観
図表1:先週の日経平均株価の動向
先週の日経平均株価は、先々週末比1,103.72円安と1,000円を超える大幅下落となり、終値も13,960.05円と、14,000円の大台を割り込みました。先週、7〜8日で実施された日銀金融政策決定会合では、従来の金融政策方針維持を決定しました。一部で早期の追加金融緩和に対する根強い期待があったものの、黒田総裁の記者会見では、「現時点で追加的な緩和は考えていない」と発言したため、追加金融緩和の実施時期は7〜9月との見方が増えているようです。相場の大きな支援材料が後退した今、日経平均株価に反発の見込みは少ないように感じますが、テクニカル指標では売られ過ぎのサインが増えています。その中の一つである騰落レシオについて考えてみましょう。
株式市場を騰落レシオで考えると・・・
図表2:東証1部 騰落レシオ
図表2は、日経平均株価の日足と東証1部の騰落レシオです。騰落レシオで見た場合の相場の行方を考えてみましょう。
騰落レシオとは
株式市場は、上昇トレンドと下降トレンドを繰り返しています。先物を上手くトレードするには、このトレンドの転換点を掴む必要があります。上昇トレンドと下降トレンドの転換点を探るテクニカル分析はいくつかありますが、「騰落レシオ」もその1つです。
騰落レシオは、市場全体の騰落銘柄数を使って表します。レシオ(Ratio)は、比率という意味です。したがって、騰落レシオは騰落銘柄数の比率ということになります。
この比率は、
騰落レシオ(%) = 値上がり銘柄数 ÷ 値下がり銘柄数 ×100
で計算されます。
値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が同数の場合は100%になります。同数の場合は、株式市場も均衡していると考えられるので、100%を基準にして、上回っているか、下回っているかで判断を行います。
例えば、2014年4月11日の騰落銘柄数は
値上がり銘柄数 683
値下がり銘柄数 933
変わらず 176
だったので、騰落レシオは
騰落レシオ=683銘柄÷933銘柄=73.2%になります。
一般的には、株式市場が上昇を続けて騰落レシオが120%を超えてくると、買われすぎのサインと見て、間もなく下落傾向に変わるという兆しになります。株式市場が下落を続けて騰落レシオが80%を切り始めると、売られすぎのサインとなり、下落は落ち着いて、間もなく上昇に変わるという兆しとして使われます。
しかし、日々の騰落銘柄数は大きく変わり、方向性が判りませんので、あるまとまった期間の平均で表すことが多いようです。図表2は、25日間の平均で表した騰落レシオとなっています。
【騰落レシオ(25日)】過去25日間の値上がり銘柄数合計/同値下がり銘柄数(%)
直近の騰落レシオから判ること
図表2をご覧いただけば判るように、4月11日(金)の騰落レシオは、78.4%となり、判断基準となる80%を割り込んでいます。すぐに反発するかどうかは判りませんが、1つの売られすぎのサインと考えられそうです。
投資戦略は
それでは、このような場合どのような投資戦略が考えられるのでしょうか?
現在の株式市場が売られすぎで、反発局面が近いと考えられるのであれば、
現物取引:株式の現物買い
信用取引:株式の信用買い
先物取引:先物の新規買い
などが考えられます。
この中で、最もオススメなのは、『先物の新規買い』です。
【理由(1)】 先物取引は銘柄の選別をする必要がありません
現物取引や信用取引は、個別銘柄を選択する必要があります。一方、先物取引で代表的な日経225先物は、『日経平均株価』が対象指数となっているため、日経平均株価とほぼ連動する値動きとなり、個別銘柄の選択をする必要がありません(個別銘柄のニュース等を確認する必要はなく、相場全体の値動きを予想して投資することができます)。
【理由(2)】資金効率が良い
株式取引において、上場投信(ETF)を活用して日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に投資することも可能です。当社売買代金ランキングをみると、日経平均株価の2倍の値動きをする『日経平均レバレッジ型ETF』が上位にきており、資金効率の良い当該銘柄に注目が集まっているようです。
日経225先物取引は、実際の取引金額に対し、少ない資金で投資することができるため、元手に対し、約23倍(2014/4/15現在)の取引をすることができ、日経平均レバレッジ型ETF以上に効率の良い投資が可能(※)です。
※得られる利益は大きくなりますが、損失が出た場合も同様に大きくなりますので注意が必要です。
【理由(3)】夜でも取引ができる
日経平均株価は、NY市場などの海外株式市場の影響を受け、変動する場合があり、朝起きたときには、想定外に暴落したり、暴騰して始まったりする可能性もあります。日経225先物の場合、日中立会に加えて、16:30〜翌日3:00までの夜間立会があり、NY市場の取引時間帯もカバーすることが可能です。
夜、大きく動く可能性がある場合は、○○円以下になったら決済するという損切りの“逆指値注文”を発注しておくことで思わぬ損失を防ぐことができます。一方、通常の株式取引の場合、取引時間まで待って大幅下落・・・。ということも考えられます。
図表3:日経平均先物のタイムスケジュール
騰落レシオが80%を割り込み、下降トレンドからの転換の兆しが見え始めている今だからこそ、資金効率が良く、海外市場の取引時間中にリスク管理(損切り)もできる『日経225先物』への投資が注目を集めそうです。
今週の注目のイベント
15日(火)
米国 3月消費者物価指数(CPI)
16日(水)
中国 3月小売売上高・1-3月期 四半期国内総生産(GDP)
3月鉱工業生産
米国 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
17日(木)
日本 日銀支店長会議 黒田総裁 発言