日経平均は人民元次第?下げ止まれるか見極め
225先物は前週末比120円の上昇と続伸した。週前半は米国など海外市場の落ち着きを背景に海外ヘッジファンドとみられる買い戻しの動きが優勢となり、18日には22,930円と6月12日に付けた戻り高値(22,970円)に接近し、節目の23,000円に迫った。また、円相場が1ドル=113円台に下落したことも日本株にプラスに働いた。ただ、週半ばで買い戻しの動きが一巡し、週末にかけては、貿易摩擦に対する警戒感などから持ち高調整の売りが出たことで、一時22,510円まで水準を切り下げる場面もあった。
7月13日時点の裁定残高は、ネットベースで7,204億円の買い越し(前週は9,763億円の買い越し)と減少した。一方、株数ベースでは、4億9,285万株の買い越しと7月6日時点(6億794万株の買い越し)比で減少している。
日経225と裁定残(7月13日時点)
CSの先物買い続く
225先物の手口では、週初から大きく買い越したモルガンSが買い方筆頭になった。そのほか、ヘッジファンド営業を強化しているCSも週を通じて買いをこなし、バークレイやAアムロCといった海外勢が買い方上位に躍り出た。一方、週を通じて売りをこなした野村が売り方筆頭になり、週末に大きく売り越したSBIなどの国内勢が売り方上位になったほか、シティGもそれに続いた。また、TOPIX先物では、225先物と同様、週を通して買いをこなしたモルガンSやCSが買い方1位、2位となったほか、週初に大きく買ったGSなど海外勢が買い方上位に名を連ねた。一方、週を通じてコンスタントに売りをこなしたBNPパリバ、ドイツ、メリル、JPモルガンといった海外勢が売り方上位になった。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)は、16.38pt。前週末比0.19pt(上昇率1.17%)高と3週ぶりに小幅ながら上昇に転じた。米ナスダック総合指数の史上最高値更新など外部環境の落ち着きを背景に日経VIは下落する場面がみられた。ただし、米国発の保護主義政策への警戒感から週末にかけて日経VIは上昇に転じ、一時17.63ptまで上げた。日経平均が今月5日に安値を付けた翌日からCSが連日買い越し、相場上昇の原動力となった。いつまで買い越し基調を続けるのか注目されるが、これまで買い越し基調を続けてきたことによって、CSの買い建玉は大きく積みあがっている。いつポジション調整の売りに転じてもおかしくないと思われ、相場のかく乱要因になる可能性があり、日経VIの上昇につながることに留意する必要がある。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は横ばい、13倍を挟んでの推移続く
NT倍率(先物)は横ばい、13倍を割り込む場面も何度か見られたが、終値ベースでは13倍を維持した。日経平均が4日続伸で23,000円への戻りを試す中、TOPIXも同様に上昇した。これまで堅調だった資生堂<4911>など化粧品セクターが売られ、週末にかけて調整色が強まる中、TOPIXも弱含み、記録的水準を維持した。
今週は3月期決算企業の第1四半期決算が本格的に始まる。このところは決算発表後の株価の反応が大きくなるケースがあり、決算シーズン到来で、個別物色が活発化しやすいと思われる。商いに厚みがでることで、全体にも好影響をもたらすと想定され、底堅い展開が続くと考えられる。米国でも主要企業の決算発表が続いており、米企業の良好な決算を背景にした株価上昇が続いた場合、東京市場にも好影響を与えるだろう。
一方、週半ばには米欧の通商問題に関する会談が予定されている。引き続き貿易摩擦に対する懸念が相場の上値を抑える要因になる可能性があるが、貿易問題を警戒して売られていた銘柄などは、足元の業績を吟味することで、見直し買いにつながることも想定されよう。また、第1四半期の実績が通期計画に対して好進捗の銘柄なども評価が高まる可能性がある。
ただ、今週の焦点は人民元が下げ止まるかどうか、となりそう。先週は一時1ドル6.8元と約1年ぶりの元安・ドル高水準。貿易問題からマーケットが不安定になる震源地になっているため、要注目。ここまで日本を支えてきたグロース株も急落する場面があり、特に化粧品を筆頭とした中国関連株は足元の元安の影響や今後の訪日外客数はハードルが高くなる為(中国人へのビザ発給要件緩和などで)、伸び率が鈍化するとの懸念も。
また、週末には日銀が緩和副作用の軽減策を検討との報道。最近は国債買入減額でも過敏に反応しなくなってきていたところでしたが、再びYCCに関する議論が台頭してきた格好に。次の決定会合は30〜31日。ここで国債買入額の「80兆円」枠を「無制限」ないし、何らかの形で撤廃される、との思惑もありますが、仮に撤廃された場合でも、相場に与える影響は限定的との見方もされ始めている。
トランプ大統領がFRBの利上げ継続に不満を述べるなど、ここ数日で為替に関する波乱要素が多く注意が必要。また、今週は7/26にECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合、来週は7/31に日銀金融政策決定会合、8/1にFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されている。為替の動きに大きくなることも考えられるため、出された情報についてマーケットがどう反応するか確認しながらトレードを進めたい。今週の想定レンジは22,000-23,000円とする。
経済スケジュール(7月23日〜7月27日)
日付 | 曜日 | 国内 海外 | 時間 | 内容 |
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7月23日 | 月 | 国内 | 国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年)(日本銀行) | |
マネジメントソリューションズが東証マザーズに新規上場(公開価格:2100円) | ||||
海外 | 20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(7月22日まで1カ月間) | ||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
21:30 | 米・シカゴ連銀全米活動指数(6月) | |||
23:00 | 米・中古住宅販売件数(6月) | |||
23:00 | 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数速報値(7月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(週次)(7月22日まで1カ月間) | |||
決算発表 アルファベット | ||||
7月24日 | 火 | 国内 | 09:30 | 製造業PMI(7月) |
11:30 | 菅義偉官房長官が「共同通信きさらぎ会」で講演 | |||
14:00 | スーパーマーケット売上高(6月) | |||
14:00 | 景気先行CI指数(5月) | |||
14:00 | 景気一致指数(5月) | |||
14:30 | 東京地区百貨店売上高(6月) | |||
14:30 | 全国百貨店売上高(6月) | |||
バンク・オブ・イノベーションが東証マザーズに新規上場(公開価格:960円) | ||||
決算発表 日立ハイテ、三菱自 | ||||
海外 | 16:30 | 独・製造業PMI(7月) | ||
16:30 | 独・サービス業PMI(7月) | |||
16:30 | 独・総合PMI(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI速報値(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI速報値(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI速報値(7月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者信頼感(7月) | |||
20:00 | トルコ・中央銀行が政策金利発表 | |||
20:00 | 米・FHFA住宅価格指数(5月) | |||
22:45 | 米・製造業PMI(7月) | |||
22:45 | 米・サービス業PMI(7月) | |||
22:45 | 米・総合PMI(7月) | |||
決算発表 UBSグループ、ユナイテッド・テク、イーライリリー、ロッキード、ベライゾン、LVMH、AT&T、TI | ||||
7月25日 | 水 | 国内 | 国債買い入れオペ(残存25年超、残存5-10年、残存10-25年)(日本銀行) | |
GA technologiesが東証マザーズに新規上場(公開価格:2510円) | ||||
決算発表 エムスリー、東北電、日立建機、信越化、ファナック、オービック、日電産、LINE | ||||
海外 | 07:45 | NZ・貿易収支(6月) | ||
10:30 | 豪・消費者物価指数(4-6月) | |||
17:00 | 独・IFO企業景況感指数(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏マネーサプライ(6月) | |||
20:00 | 米・MBA住宅ローン申請指数(先週) | |||
23:00 | 米・新築住宅販売件数(6月) | |||
米欧首脳会談 | ||||
BRICSサミット(27日まで) | ||||
パキスタン・下院選 | ||||
決算発表 ノースロップ、フィアット・クライスラー・オートモービルズ、コカ・コーラ、UPS、GM、ボーイング | ||||
決算発表 ヴァーレ、ビザ、クアルコム、ギリアド、フェイスブック、ペイパル、フォード、ドイツ銀、STマイクロ | ||||
7月26日 | 木 | 国内 | 08:50 | 対外対内証券投資(先週) |
09:50 | 企業向けサービス価格指数(6月) | |||
アクリートが東証マザーズに新規上場(公開価格:770円) | ||||
エクスモーションが東証マザーズに新規上場(公開価格:3340円) | ||||
決算発表 花王、キヤノン、スタンレー、野村HD、NRI、富士通、ディスコ、オムロン | ||||
決算発表 富士電機、日清粉G、サイバーA、東エレク、小糸製、中外薬、日産自 | ||||
海外 | 18:30 | 南ア・生産者物価指数(6月) | ||
20:00 | ブ・FGV建設コスト(7月) | |||
20:45 | 欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ドラギ総裁が記者会見 | |||
21:30 | 米・卸売在庫(6月) | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
21:30 | 米・耐久財受注(6月) | |||
22:30 | ブ・経常収支(6月) | |||
22:30 | ブ・海外直接投資(6月) | |||
韓国・GDP速報値(4-6月) | ||||
決算発表 エアバス、ロイヤル・ダッチ・シェル、ネスレ、ダイムラー、スカイ、マスターカード、ブリストル | ||||
決算発表 コムキャスト、アフラック、マクドナルド、インテル、アマゾン、スターバックス、ゼロックス | ||||
7月27日 | 金 | 国内 | 08:30 | 消費者物価指数(東京都区部7月) |
10:00 | アルミ出荷統計(6月) | |||
国債買い入れオペ(残存1-3年、残存5-10年、残存3-5年)(日本銀行) | ||||
プロレド・パートナーズが東証マザーズに新規上場(公開価格:4250円) | ||||
決算発表 アステラ薬、小田急、東ガス、ヤクルト、アコム、アルプス電、コマツ、リコー、MRO、ヤフー、日本ガイシ | ||||
決算発表 日立、エプソン、日野自、関西電、JR東海、大日住薬、三井住友H、静岡銀行、ミスミG、JR東日本 | ||||
海外 | 10:30 | 中・工業利益(6月) | ||
19:30 | 露・中央銀行が政策金利発表 | |||
20:00 | ブ・FGVインフレ(IGP-M)(7月) | |||
21:30 | 米・GDP速報値(4-6月) | |||
22:30 | ブ・ローン残高(6月) | |||
22:30 | ブ・融資残高(6月) | |||
22:30 | ブ・個人ローン・デフォルト率(6月) | |||
23:00 | 米・ミシガン大学消費者マインド指数確定値(7月) | |||
朝鮮戦争休戦協定締結から65年 | ||||
欧・ECB専門家予測調査 | ||||
決算発表 メルク、ツイッター、エクソンモービル、シェブロン、ルノー |
- 提供:フィスコ社