日経平均22,000円割れは好機か
先週の225先物は前週末比120円安の22,530円と続落し、3週連続して下落した。米長期金利の上昇を嫌った前の週の米国株の大幅下落などを背景に売りが先行して、225先物は15日に400円以上下落した。その後は、値幅調整の一巡感や米国株も反発したことから週の半ばにかけては戻りを試す展開となり、23,000円の大台回復目前に迫る場面もみられた。しかし、人民元安をきっかけにした中国景気の減速懸念やイタリアの財政問題、米国とサウジアラビアとの緊張の高まりなど海外の政治・経済など、世界的にリスク回避ムードが強まり、週末にかけて再び下値を探る展開となった。ただ、心理的な節目である22,500円を下回ると押し目買いも散見され、同水準はかろうじて死守できたが3週連続して下落した。
10月12日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆4,874億円の買い越し(前週は2兆652億円の買い越し)と減少した。一方、株数ベースでは、7億527万株の買い越しと10月5日時点(9億1,474万株の買い越し)比で減少している。
日経225と裁定残(10月12日時点)
海外ヘッジファンドの売りが目立つ
225先物の手口では、週を通じてコンスタントに売りをこなしたCSが売り方トップになった。ヘッジファンドなど海外ファンドからの売り注文とみられる。このほか、メリル、モルガンS、ソジェンといった海外勢が売り方上位に。一方、日経レバETFからの先物買いと思われる野村が週初から半ばにかけて大きく買い越したことで買い方筆頭になったほか、SBIやみずほ証券といった国内勢が上位に並んだ。また、TOPIX先物の手口では、週を通じて大きく売ったバークレイが売り方筆頭になった。米金利上昇を受けた米国株安を嫌気して日経平均も下落しただけに、リスクパリティ・ファンドによる売りが観測されている。このほか、CS、GSなどの海外勢の売りが上位になった。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)は、前週末比3.06pt安(下落率12%)の22.36ptと4週ぶりに下落に転じた。前の週の米金利の上昇を映してNYダウが下落したことから、2月のVIXショック再来への警戒感から、VIは上昇し、週初に27.71ptと3月以来の高値水準まで上昇した。その後は、日経平均の値幅調整などを背景にVIも低下し、週半ばには20.82ptまで水準を切り下げたが、サウジを巡る地政学リスクなど先行き懸念が多く、再び上昇に転じた。危険水準とみられる20ptを一度も下回らず週を終えた。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は下落、約1カ月ぶりに13.4倍つける場面も
NT倍率(先物)は下落。週明け15日の日経平均は200日平均線を下回る軟調な推移となったが、TOPIXも安値圏での推移が続いたことで、NT倍率は13.3倍台を挟んでもみ合う展開となった。週半ばの17日にかけて、半導体関連株の反発から日経平均がマドをあけて上昇すると、NT倍率は9月18日以来約1カ月ぶりに13.4倍をつける場面もみられた。ただ、週末にかけて、中国株安から日経平均が弱含んだことで、週ベースでは下落となった。
今週の225先物は、外部環境の先行き不透明感が拭えないなか、不安定な値動きとなりそうだ。今週は、米国では企業の7-9月期決算の発表が集中し、日本でも週末にかけて企業決算の発表が本格化する。市場では「米景気の好調や円安が追い風となり、国内企業の業績改善基調は続いている」との見方は根強い。
一方、原油市況の上昇などを背景に原料高や中国の需要減少も懸念されるなか、内容を見極めるまでは積極的な買い戻しの動きは入りにくいとみられる。また、中国人民元の一段安の展開や、記者殺害疑惑で米国とサウジの対立が激化し地政学リスクが一段と高まった場合は、リスク回避の動きが一段と加速し、一時的に22,000円を割り込む可能性があるが、そこが買い場になることに期待したい。現在の為替水準を維持すれば主要各社の良好な決算が出てくる可能性が高い。現在の株価が割安と判断され、買い安心感が広がり、上昇開始の基点になるのではないか。
ただ、米国中間選挙で共和党の大敗となった場合は、マーケットが一気にリスクオフとなることも考えられ、結果出るまではリスク要因か。選挙結果、各社業績が判明する11月初旬までは足元の状況が継続することも想定されるが、マーケットを見ながら、安いところでは仕込んで行きたい。」今週の予想レンジは、21,900-22,900円とする。
経済スケジュール(10月22日〜10月26日)
日付 | 曜日 | 国内 海外 | 時間 | 内容 |
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10月22日 | 月 | 国内 | 08:50 | 主要銀行貸出動向アンケート調査(10月、日本銀行) |
13:30 | 全産業活動指数(8月) | |||
14:00 | 金融システムレポート(2018年10月号、日本銀行) | |||
16:00 | コンビニエンスストア売上高(9月) | |||
日欧ハイレベル産業・貿易・経済対話 | ||||
LNG産消会議 | ||||
海外 | 19:25 | ブ・週次景気動向調査 | ||
26:00 | ブ・貿易収支(週次)(10月20日まで1カ月間) | |||
10月23日 | 火 | 国内 | 10:00 | 営業毎旬報告(10月20日現在、日本銀行) |
14:00 | スーパーマーケット売上高(9月) | |||
14:30 | 東京地区百貨店売上高(9月) | |||
14:30 | 全国百貨店売上高(9月) | |||
15:00 | 工作機械受注(9月) | |||
市場調節に関する懇談会(日本銀行) | ||||
リーガル不動産が東証マザーズに新規上場(公開価格:1380円) | ||||
決算発表 シマノ、日電産 | ||||
海外 | 20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(10月22日まで1カ月間) | ||
21:00 | ブ・拡大消費者物価指数(IPCA-15)(10月) | |||
23:00 | 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数速報値(10月) | |||
米・ミネアポリス連銀総裁が講演 | ||||
米・ダラス連銀総裁が講演 | ||||
英・イングランド銀行(英中央銀行)総裁が講演 | ||||
インドネシア・中央銀行が政策金利発表 | ||||
「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ(砂漠のダボス会議)(25日まで) | ||||
決算発表 マクドナルド、3M、ユナイテッド・テク、キャタピラー、ベライゾン、ロッキード、TI | ||||
10月24日 | 水 | 国内 | 08:30 | 製造業PMI(10月) |
14:00 | 景気動向指数確報(8月) | |||
国債買い入れオペ(残存5-10年、残存25年超、残存10-25年)(日本銀行) | ||||
臨時国会召集 | ||||
決算発表 花王、LINE、中外薬 | ||||
海外 | 16:30 | 独・製造業PMI(10月) | ||
16:30 | 独・サービス業PMI(10月) | |||
16:30 | 独・総合PMI(10月) | |||
17:00 | 南ア・消費者物価指数(9月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏マネーサプライ(9月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI速報値(10月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI速報値(10月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI速報値(10月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者信頼感(10月) | |||
20:00 | 米・MBA住宅ローン申請指数(先週) | |||
22:00 | 米・FHFA住宅価格指数(8月) | |||
22:45 | 米・製造業PMI(10月) | |||
22:45 | 米・サービス業PMI(10月) | |||
22:45 | 米・総合PMI(10月) | |||
23:00 | 加・カナダ銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
23:00 | 米・新築住宅販売件数(9月) | |||
米・アトランタ連銀総裁が講演 | ||||
米・カンザスシティー連銀総裁が講演 | ||||
米・クリーブランド連銀総裁が講演 | ||||
WTO閣僚会合(25日まで) | ||||
米・地区連銀経済報告(ベージュブック) | ||||
決算発表 バークレイズ、ヴァーレ、ボーイング、アフラック、ドイツ銀行、UPS、AT&T、ビザ、マイクロソフト、フォード、AMD | ||||
10月25日 | 木 | 国内 | 08:50 | 企業向けサービス価格指数(9月) |
08:50 | 対外・対内証券投資(先週) | |||
安倍首相が訪中(27日まで) | ||||
決算発表 東北電、キヤノン、サイバーA、日立建機、エムスリー、NRI、富士電機、日立金 | ||||
海外 | 06:45 | NZ・貿易収支(9月) | ||
17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(10月23日まで1カ月間) | |||
17:00 | 独・IFO企業景況感指数(10月) | |||
18:30 | 南ア・生産者物価指数(9月) | |||
20:00 | トルコ・トルコ中央銀行が政策金利発表 | |||
20:45 | 欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ドラギ総裁が記者会見 | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
21:30 | 米・耐久財受注(9月) | |||
22:30 | ブ・経常収支(9月) | |||
22:30 | ブ・海外直接投資(9月) | |||
23:00 | 米・中古住宅販売成約指数(9月) | |||
印・インフラ産業8業種(9月)(31日までに) | ||||
米・クリーブランド連銀総裁が講演 | ||||
米・クラリダFRB副議長が講演 | ||||
韓・GDP速報値(7-9月) | ||||
決算発表 UBSグループ、ダイムラー、ロイズ・バンキング・グループ、コムキャスト | ||||
決算発表 アルファベット、アマゾン、ツイッター、メルク、インテル | ||||
10月26日 | 金 | 国内 | 08:30 | 消費者物価指数(東京都区部・10月) |
国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年、残存5-10年)(日本銀行) | ||||
決算発表 オリックス、リコー、関西電、日立、MRO、信越化、小糸製、中部電 | ||||
海外 | 19:30 | 露・ロシア中央銀行が政策金利発表 | ||
20:00 | ブ・FGV建設コスト(10月) | |||
21:00 | ブ・PPI製造業(9月) | |||
21:30 | 米・GDP速報値(7-9月) | |||
22:30 | ブ・ローン残高(9月) | |||
22:30 | ブ・融資残高(9月) | |||
22:30 | ブ・個人ローン・デフォルト率(9月) | |||
23:00 | 米・ミシガン大学消費者マインド指数確定値(10月) | |||
欧・ECB専門家予測調査 | ||||
安倍首相が中国の習国家主席、李首相と会談 | ||||
決算発表 RBS |
- 提供:フィスコ社